“文学少女”と繋がれた愚者 野村 美月 竹岡 美穂 エンターブレイン 2006-12-25 by G-Tools |
【図書館の本のページが切り取られているのを発見した”文学少女”天野遠子。暴走する遠子に巻き込まれ、文化祭で演劇をやるハメになる心葉と級友の芥川だったが】
「物語への愛は、すべてを可能にするのよ。逆立ちのひとつやふたつ、へいちゃらだわ。わたしの愛のパワーを見せてあげる」
文学少女、素敵すぎです!!w
"文学少女"が紡ぎ出す、甘酸っぱいモラトリアム・ミステリー。
今回は、『三角関係』がテーマの文学作品をモチーフに、
芥川というクラスメイトが過去に招いた愛憎劇を描きます。
さらに心葉の抱えた心の傷まで揺さ振られ、臆病な彼がついに他人との関わりに踏み込まざるをえなくなっていきます。
今年最後に、楽しくて切なく最っ高に素晴しい時間を堪能させて頂きました!
まず、琴吹さんのツンデレ分がハジけた!と絶賛したい。
「井上のためじゃないんだからねっ!」といいながら、演劇に参加してきたり、クッキーを差し入れたり、ピンクのうさぎに恋愛祈願したり、極めつけに告白スレスレの台詞を連発w
これまでツンデレ比が「100:0」。2巻の病院でのワンシーンでツンが98くらいだったツンデレ天秤が一気に傾きましたよ。
心葉の問題にもガンガン絡んできて絶好調!!
お馴染みの遠子先輩の薀蓄語りのキレっぷりも増してます。
名作文学への情熱を暴走させる姿は活き活きとして、心葉の三題噺を泣きながらモシャモシャ食べる姿はとてもコミカル。
ロマンティックにブッ飛んでるだけかと思いきや、本番でのフォローのきいたアドリブ! 物語への愛あふれる語り!
愛のパワーがハジける文学少女にトキめいてしまいます。
ただキーマンである芥川については不満バリバリですね。
早々に男らしくケジメをつけてればよかったのに、八方美人に偽の誠意を振りまいてるから、何をやっても裏目なんですよ。
なんというか、ヤツの行動には、誠意はあるが正義がない!
誠実ではあるが愛がないっ!モテ男め!!といったカンジ。
最後は心葉も自分を縛る鎖をひとつ外し、芥川との新しい友情を結び、琴吹さんとも打ち解けて、しんみりといい話。
しかし、やっぱり最後の最後でドンデン返しというか、幸福フラグは不幸フラグの布石というか、行く先に真っ暗な闇が・・・。
次回、心葉くんの物語が一気に加速しそうです。
そして我らが"文学少女"遠子先輩の物語へどう繋がるのか
先を知ってしまうのがどこか怖く、それ以上に楽しみです!
琴吹さんが今後どんな本心を吐露してくれるのかとか、不幸フラグはどんな爆発をするかとか、実は遠子先輩の本心とかも気になります。今まで見たいなある種傍観者のポジションなら良いんですが、巻き込まれてドロドロに・・・とか考えてブルブルです。
しかし、最高ですねこのシリーズ。続編が既に楽しみです。
文学少女シリーズは好調ですね。
心葉君の内面の問題も序々に明かになり、大きくなっていき終盤に向けての大きな動きもあったみたいですしね。
それに、ななせさんが過去にどのように心葉君と絡んでいたのかも興味深いところですね。
このシリーズからは目を離せませんね