ダフロン

2012年11月28日

聖剣の刀鍛冶 14/三浦勇雄

4840149038聖剣の刀鍛冶14 (MF文庫J)
三浦勇雄 屡那
メディアファクトリー 2012-11-21

by G-Tools

ブレア火山の麓で迎撃の陣を組んだセシリーたち騎士団。しかしすでに都市を蹂躙せんと侵攻した帝政列集国はシーグフリードの振るう魔剣エヴァドニの力で溶岩を越え、進撃を止めることがない。そして遂に、都市騎士団と帝政列集国戦士団は、激しい剣戟を交わす乱戦に突入する。

 たったひとつの真実がここにある

 すべてを守りたいと願う女騎士が、気合とド根性で成長していく熱血ファンタジー。

 ルークもセシリーも、どちらも格好良くて、主人公してていいなぁ。だけどすっごいピンチじゃね><
 ブレア火山の麓でついに都市騎士団と帝政列集国が激突し、人外兵器や魔剣使いたちを相手に苦戦を強いられるなか、それでも諦めずに命をかけて立ち向かう都市の騎士たちの姿に手に汗握りました。
 主役の二人だけじゃない、困難に直面してより強固に結びつく仲間たちの絆の力を感じました。

 敵味方の両軍が衝突する窮地にあっても、己を見出だせずに聖剣としての真価を発揮できず、それどころか暴走してしまうアリアと、その難題にいまだ解決策を示せないセシリーの苦悩がもどかしいです。
 愛する妻と自分の打った聖剣のために何かをしてやりたくとも、いまは見守ることしかできないルークですが、妻の負担を少しでも減らそうと一番の強敵に真っ先に挑んでいく彼は実にいい夫だ。

 戦場でかつての主イライザ・イヴァと遭遇したヒルダが、ヘイゼルと力を合わせ、それまでに受けた雪辱を果たし、奴隷だった過去と決別を果たした対決は胸のすく思いでしたが、長年のライバル同士であるハンニバルとオーガスタの決闘が、途中で水を差され哀れな結果となったのは無念でならなかった。
 仲間を使い使い潰して進軍してくるジークフリードにセシリーたちの誇りが踏みにじられるのが耐え難い。

 何かもがあともう一歩、ほんの少しだけ敵より足りなくて、歯痒さと焦れったさともどかしさでたまらない。
 それでも人外の軍隊を相手に人間たちが力を合わせて立ち向かうこの戦いは、怪物の本能と人間の信念とのぶつかり合いともいうべきもので、悲鳴と怒号の場面の中にも人間の素晴らしさを実感します。
 ついに復活してしまったヴァルバニル、最後の希望セシリーとアリアに人々の思いは届くのか。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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