やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。6 (ガガガ文庫) 渡 航 小学館 2012-11-20 by G-Tools |
文化祭。面倒な仕事をスルーする方法は……呼ばれても返事をしない、なるべく面倒くさそうな気持ちを顔に出す!?ぼっちのスキルをフル活用して文化祭の準備をサボる気満々の八幡。しかし、授業をサボっていたら、不在なのをいいことに文化祭の実行委員にさせられてしまう。
だから俺は変わらない
ひょんなことから美少女と部活動をすることになったヒネクレ高校生の一風変わった青春ラブコメ。
これはシリーズ最高傑作! ここまでリア充を憎らしく、そして非リアを誇らしく思ったことはない!
一方的に文化祭実行委員を任されてしまった八幡が、同じ境遇の雪ノ下と激務に追われながら、無責任なリア充たちの仕事の尻拭いをさせられ続け、裏方役を耐え忍ぶ姿に心を揺さぶられました。
リア充たちが青春を謳歌する文化祭。その成功を陰で支える非リアの苦悩や悲哀が切なかった。
文化祭実行委員を押し付けられ、初めはサボる気だった八幡だけれど、周囲の文化祭実行委員は彼以上に不真面目で、カースト最底辺の彼や副委員長の雪ノ下にばかり仕事が回ってきて、他人に頼るのが苦手な二人が次第に作業に押しつぶされていく光景が不公平で、不条理で読んでいてたまらなかった。
結束力のない委員会をまとめるため、あえて憎まれ役をかって出る八幡さんが格好良すぎて惚れる!
なんとか迎えた文化祭当日も、クラス作業にはまったく関わる暇のなかった八幡は蚊帳の外で、お祭りを楽しむこともせず雑務に明け暮れ、それでも味わえる達成感は責任を持って仕事を全うした彼だけの喜びだろう。
最後の最後まで他人の身勝手に振り回される八幡と雪ノ下たちだけれど、決して陽の当たらない、誰からの賞賛も受けない、自分に与えられた役割を貫く、惨めであっても気高い、その生き様に魅せられる。
誰かが幸せを享受している時、他の誰かが貧乏くじを引いている。他人が傷つくよりは、痛みに慣れている自分が傷ついた方がいい。そう言い張って、一人で傷を負う八幡、お前って男は、まったく聖人君子か!
それでも周囲には八幡のやったことのすごさが伝わらないどころか、非難する奴が居るのが悔しい!
雪ノ下や由比ヶ浜だけは八幡の美徳を理解してくれているのがせめてもの救いか。ぼっちは最高だぜ!