そろそろやらんとラノサイ杯やラ版大賞で騒がしくなるので、
いまのうちに2006年下半期に開始した新シリーズに限定してオススメ作品をチョイス。順位はランキングではありません。
上半期の10選はこちら⇒2006上半期新刊10選
1.ラジオ・ガール・ウィズ・ジャミング
【著:深山森/絵:BUNBUN/レ:電撃文庫】
![]() | ラジオガール・ウィズ・ジャミング 深山 森 メディアワークス 2006-07 by G-Tools |
メディアが規制された街で海賊放送を続ける少女の物語。
人間の優しさ暖かさ、そしてお互いを信じ合う心を描きます。
間違いなく今期の新人の筆頭株。気持ちのいい良作です。
2.オオカミさんと七人の仲間たち
【著:沖田雅/絵:うなじ/レ:電撃文庫】
![]() | オオカミさんと七人の仲間たち 沖田 雅 メディアワークス 2006-08 by G-Tools |
![]() | オオカミさんとおつう先輩の恩返し 沖田 雅 by G-Tools |
名作童話をパロディにした面白エロおかしい学園コメディ。
意地っ張りなおおかみさんとヘタレな亮士くんにニヤケましょう。萌えて、笑って、最後に燃えるライトな読みごたえの一冊。
3.ジャストボイルド・オ’クロック
【著:うえお久光/絵:藤田香/レ:電撃文庫】
![]() | ジャストボイルド・オ’クロック うえお 久光 メディアワークス 2006-09 by G-Tools |
人間と機械が共生する社会で起こったヒーロー殺人事件。
ジュードとアルのゆるゆるトークが可笑しいSFアクション。
うえお久光の描く、タフな男のハードボイルドをご覧あれ。
4.付喪堂骨董店 “不思議”取り扱います
【著:御堂彰彦/絵:タケシマサトシ/レ:電撃文庫】
![]() | 付喪堂骨董店―“不思議”取り扱います 御堂 彰彦 メディアワークス 2006-10 by G-Tools |
魔力が宿る不思議な道具、『アンティーク』にまつわる物語。
全体的に、とても高いストーリー性に仕上がってます。
作家として一皮剥けて急成長が著しい。続刊に期待。
5.イチゴ色禁区
【著:神崎リン/絵:文倉十/レ:角川スニーカー文庫】
![]() | イチゴ色禁区 1.夏の鳥居のむこうがわ 神崎 リン 角川遜店 2006-08-31 by G-Tools |
![]() | イチゴ色禁区〈2〉秋の神具の奪いかた 神崎 リン by G-Tools |
妄想青年とスネデレ小学生の年の差退魔コンビの物語。
ロリとの掛け合いが非常に楽しい。ロリスキー注目です。
一巻では読みにくかった正樹の妄想も、二巻では改善。
あとは後半に話を詰め込みすぎる展開をなんとか・・・。
6.終わる世界、終わらない夏休み
【著:あきさかあさひ/絵:東条さかな/レ:ファミ通文庫】
![]() | 終わる世界、終わらない夏休み 芹沢和也の終末 あきさか あさひ 東条 さかな エンターブレイン 2006-08-30 by G-Tools |
![]() | 終わる世界、終わらない夏休み ~桜井深優の終末~ あきさか あさひ 東条 さかな by G-Tools |
世界の終末から三日間をループしつづける男女の物語。
上下巻ですが、とくに下巻で急激に魅力アップする桜井深優にはやられました。ここぞという場面で泣かせてくれる一品。
7.モノケロスの魔杖は穿つ
【著:伊都工平/絵:巳島/レ:MF文庫J】
![]() | モノケロスの魔杖は穿つ 伊都 工平 メディアファクトリー 2006-10 by G-Tools |
腹黒魔女っ子と正義の味方のWヒロインでまず勝ち組。
ただ読んでみて世界観が掴みにくいという問題点もあります。
小難しい魔術設定は取っ払うべし、かなりスッキリするはず。
8.化物語
【著:西尾維新/絵:VOFAN/レ:講談社BOX】
![]() | 化物語(上) 西尾 維新 VOFAN 講談社 2006-11-01 by G-Tools |
![]() | 化物語(下) 西尾 維新 VOFAN by G-Tools |
西尾維新の天才っぷりがギャグオンリーに暴走した傑作。
とにかく西尾維新の趣味だけで描かれたヒロインたちの
馬鹿馬鹿しくも痛快な掛け合いに笑わずにはいられない。
9.クライム・ハウンド
【著:柊ハルヤ/絵:深遊/レ:スーパーダッシュ文庫】
![]() | クライム・ハウンド 柊 ハルヤ 集英社 2006-12 by G-Tools |
見習い捜査官の少年少女が難事件に立ち向かう捕物活劇。
自警団「クライム・ハウンド」の得物である十手がシブいです。
十手と刀の技と技のぶつかり合いに燃える武術アクション。
10.ユーフォリ・テクニカ
【著:定金 伸治/絵:椎名優/レ:C★NOVELS FANTASIA】
![]() | ユーフォリ・テクニカ―王立技術院物語 定金 伸治 中央公論新社 2006-12 by G-Tools |
新技術の開発にとりつかれた研究中毒者たちの空想科学。
科学への情熱が行き過ぎちゃったDQN王女エルが魅力。
最後までドキドキワクワクハラハラしてやまない絶品です。
総括
新人勢が粒ぞろいだった上半期に比べ、全体的に凶作。
新規レーベルにも期待はしているが、まだまだ未熟。
久しぶりに出た富士見長編大賞も期待外れ。
スーパーダッシュ文庫の新人賞も同様。
筆力はあるが、人様にオススメする気には到底なれない。
とはいえ、上半期デビュー作家の新刊ラッシュ。
既存の人気シリーズの完結ラッシュが続き、表面上はとても勢いのある半年でした。
一年単位で眺めてみると、ハルヒの大ヒットやら、
狼と香辛料の大ブレイクやら、新規レーベルの乱立やら、
続々とアニメになるわマンガになるわドラマになるわ。
勢いがあるどころか出版社も読者も浮かれ騒いだお祭りのような一年でした。
2006年は『ライトノベルの熱狂の年』と名付けたい。
亥年の来年も、このままの勢いで『ライトノベルの猛進の年』となって欲しいですね。