ダフロン

2012年11月16日

五線譜なんて飾りですっ!/一色銀河

4048911481五線譜なんて飾りですっ! (電撃文庫)
一色銀河 wingheart
アスキー・メディアワークス 2012-11-09

by G-Tools

日野正輝は入学した高校の吹奏楽部で、ある『天才』なトランペット吹きの少女と出会った。指揮者を見ないし。しかもクラシック音楽が苦手で、愛器を吹けば出るのはアニソンばかりという有様。でも秋築律夢の音には、思わず聞き入ってしまうような、人の心を揺さぶる不思議な力が確かにあるんだ。

 向かい風に立ち向かえ

 問題児の天才トランペット弾きの少女と出会った少年の音楽の楽しさを知る学園青春ラブコメディ。

 高尚な音楽、格式ある音楽。そんなの人の勝手。本当に優れた音楽家ならアニソンを弾くべき!
 幼馴染の幽霊に取り憑かれている主人公・正輝が、アニソン大好きなトランペット少女・律夢と出会い、演奏者としては問題ありまくりな彼女の個性を認めて音楽の楽しさを広げていく姿が素晴らしかった。
 スポ根青春物語に定評のある作者の新たな挑戦。吹奏楽部でも熱血と根性と友情でした。

 優れた表現力を持ちながらも、欠点だらけな律夢と、彼女に振り回される正輝が可笑しかったです。
 演奏するとトリップして周囲の音を聞かない、指揮者もメトロノームも見ないからテンポがズレる、アニソンは完璧なのにクラシックはボロボロと、どうして性格は純粋無垢ないい子なのにトランペットを持つとこうも残念なのかと、彼女の扱いに悪戦苦闘する正輝と吹奏楽部員たちの奮闘ぶりが愉快でした。

 律夢にとってはトランペットが大好きで、アニソンが大好きというだけなのに、なまじっか才能があっただけに期待した周囲が枠にはめようとして、実力を発揮できないでいる彼女の苦悩がもどかしい。
 しかし独りよがりになって演奏に入り込んでしまうのは、それだけアニソンの持つ物語が好きだからなのでしょうね。彼女の音楽性を理解して、受け入れてくれる正輝の存在がいて本当によかった。

 もう一人のヒロイン・桜乃香も、時には厳しい言葉を吐くけれど的確なアドバイスで律夢と正輝を応援して、ツンデレ可愛かった。しかし現状のままだとこの幼馴染幽霊かませ臭しかしないぞ……。
 吹奏楽部の顧問や先輩たちもユニークで和気藹々とした放課後の活動風景が読んでて和みました。
 ラノベの音楽ものというと軽音楽部がメジャーですが、吹奏楽部ならではの良さが伝わって来ました。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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