![]() | サムライブラッド2 ~神花襲来~ (HJ文庫) 松時ノ介 津雪 ホビージャパン 2012-10-31 by G-Tools |
竜に目覚めた力=天位五行の謎を調べるため堺の町に向かう花鳥たち。突如道場に入門してきた青年・坂本龍真や若き天才学資・山岡鉄宗らと出会いにぎやかな道中となるが、そんな竜たちの前に、最強の五行器《神花》を操る花魁・音夢が立ちはだかる!
己の知らざることは何人にてもならうべし
"武資"と呼ばれる一騎当千の強者達が繰り広げる和風陰陽術&刀剣活劇ファンタジー。
花鳥と竜の恋模様の甘酸っぱさに身悶えして萌え転がった。何こいつら可愛いすぎるうううううう!!
竜に目覚めた天位五行の仕組みを調べるため、堺にある陰陽寮へとやってきた花鳥と竜が、幕府転覆を目論む襲撃に鉢合わせ、"武資"として戦う理由を見出して成長していく姿がカッコ可愛かった。
新キャラも増えて、さらに戦いのスケールと迫力、駆け引きの複雑さ増していく大剣劇に燃えます。
浅井道場の存続も認められ、晴れて夫婦になった竜と花鳥ですが、男と女の関係どころか、お互いに手さえ繋ぐのも恐る恐るという初々しさがたまりません。花鳥としては初めて自分を奇異の目で見ないで受け入れてくれた竜を好ましく思いながらも気恥ずかしくて、そんな乙女心の機微がわからない竜は、まず男女の身体の仕組みすら知らないという、どうにも奥手すぎる二人がお似合いで微笑ましい。
新たに門下生となった坂本龍真、陰陽寮で出会った山岡鉄宗、さらにビックネームが続々と登場し、史実との近似性を絡めて読んでいくと面白味が倍増です。戦国時代とも繋がっているのもロマンあるな!
五行器を持たなかったとはいえ、一度は敗北してしまった竜が、己の気の緩みを見つめ直し、新たな信念を得て立ち上がるところは、如何にも女のために命をかける漢の姿でいつも以上に凛々しかった。
竜と花鳥以外にも、カップルが生まれて、リア充爆発。しかしこの世界の女どもは強くて怖い……。
一騒動終わって一息ついた最後の最後で日本全土、時代を揺るがす大事件がやってきて、変事の無いところに騒乱を生む『本命的殺の縁』とはつくづく厄介なものだと思うけれど、騒動を乗り越えてより強くなる人々の絆や縁もあるのだというところを、竜と花鳥には見せて欲しいなぁ。