覇剣の皇姫アルティーナ (ファミ通文庫) むらさきゆきや himesuz エンターブレイン 2012-10-29 by G-Tools |
剣も弓も苦手で、本ばかり読んでいる落ちこぼれ軍人のレジス。左遷された辺境で、彼は運命を変える少女と出会う。赤い髪、紅い瞳を持ち、覇者の大剣を携えた皇姫アルティーナ。落胤が故に、十四歳にもかかわらず、辺境軍の司令に任じられていたが、彼女は己の境遇を嘆くことなく、大望を抱いていた。
少年少女よ、野望を抱け!
読書狂の軍師と伝説の宝剣を振るうお姫様が織り成す戦記ファンタジー。
軍師主人公の王道戦記モノとか、俺得でした。最近はこういう作品がまた少しずつ出てきて嬉しい。
敗戦の責任を取らされて北の辺境へと左遷された主人公・レジスが、落胤であるが故に同じく辺境へ飛ばされた第四皇姫・アルティーナと出会い、戦争の絶えない帝国に真の平和をもたらすため、次期皇帝の座を狙う彼女の頭脳となり、大きな野望を掲げて立ち上がる壮大なロマンに胸がときめきました。
平民であるというだけで軽んじられ、敗戦の責任を一人で被らされて、失意のまま北の辺境砦へと赴任したレジスですが、そこで彼の才能を認める新たな主人との出会いを果たすのが運命的だった。
お転婆なお姫様アルティーナもまた政略的に島流しにされた身で、それでもレジスとは違って野望に燃え、現状を打破するために無茶もするパワフルな行動力があって、その大胆さと力強さに魅せられました。
しかし立場上は砦の司令官でも、所詮はお飾りにしか過ぎなくて、兵士たちは本来の領地の主である将軍ジェロームにしか従わず、ままならぬ歯痒さに焦れるアルティーナの姿がもどかしかった。
野党退治で実績を出したレジスにジェロームも興味を示して、それに対してアルティーナの取った思わぬ行動にはヒヤヒヤさせられましたが、それが野望への足掛かりになっていく光景に胸が踊りました。
まあ今回やったことは世界観の解説と大雑把なキャラクターの紹介だけで、レジスの才もあまり伝わらず、オチもイマイチ物足りないものの、続きはちゃんと出るみたいだし、焦らず先の展開に期待かなぁ。
ときにこの作者の名前どこかで聞いたなと思って調べてみたら、GA文庫の『ゆうれいなんか見えない』の人か! えっ、ちょ、作風ちがいすぎぃ! (; ・`д・´) と、とりあえずロリキャラはよロリキャラはよ。