ダフロン

2012年10月10日

剣澄む/ますくど

4800202728剣澄むーTSURUGISMー (このライトノベルがすごい! 文庫)
ますくど ricci
宝島社 2012-10-09

by G-Tools

西暦2020年、日本には特別に帯刀を許された「御三家」と呼ばれる組織があった。あるとき、「刀狩り」と呼ばれる謎の剣士が現れ、御三家の剣士の刀を次々と奪っていくという事件が発生する。父が倒れたと知らされた上泉綱義が、実家に戻り、出会ったのは自らを妖刀村正と名乗る少女だった

 この世の神をも斬る決意

 現代日本で妖刀を携えた剣士たちが、己の強さを証明するために剣閃を交差する剣劇アクション。

 弟様可愛すぎワロタ。なんで実の弟と主人公、こんなイチャイチャしてるんですかー!www
 現代の日本で帯刀を許され、剣術を伝える『御三家』の一つ上泉家の嫡男・綱義が、幼女の姿をした妖刀・村正と共に『御三家』最強を決める御前試合に挑み、強敵相手に繰り広げる激戦に次ぐ激戦に魂が震えました。
 剣に生き、武勲を誇りとし、殺し、殺される覚悟を胸に秘め戦う剣士たちの気迫に圧倒されます。

 剣術バカだけれど一本気のある綱義が好印象でした。伝説の妖刀・村正を与えられ、見た目は麗しい幼女で、若い美男子しか使うことを許さないという特殊な嗜好を持つ彼女の扱いに戸惑う姿が微笑ましかったです。
 綱義を兄として敬愛してやまない弟・信景と、綱義を気に入ってしまった村正とで、綱義を取り合う光景も楽しかった。けど綱義も出来のいい弟を溺愛していて、兄弟二人してブラコンなのかよ、なんやこれぇ……。

 上泉家代表として御前試合に参加することになった綱義ですが、御三家の他の二家の代表者も、綱義と同年代でありながら、まさしく剣鬼としか言いようがない刀剣狂いで、その異様に背筋が寒くなりました。
 他家も秘蔵の妖刀魔剣を出してくるのは明白なのに、試合前日にして村正と不和を起こしてしまい、普通の刀一本で真剣勝負に挑まざるをえない状況をして平然としてる綱義も、よくよく考えるとマトモではなかったな。

 相手を殺したり、自分が死んだりするかもしれないのに、どこか殺し合いを楽しんでいるフシのある登場人物たちに、お前ら全員どっかおかしいよ!とツッコミたくなるのですが、剣士にとっては自分と並び立つ強敵と本気で戦うことは何よりも幸せなんだろうなと、愛すべき剣術バカたちを思った。
 勝負が終われば、それまでのわだかまりを捨て、お互いに切磋琢磨しあう友人になる。嗚呼、剣士って、素晴らしい……かなぁ?(; ・`д・´)
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