![]() | レンタルマギカ―鬼の祭りと魔法使い〈下〉 三田 誠 角川書店 2006-11-30 by G-Tools |
【いつきの奮闘もむなしく、葛城みかんは姉とともに“人柱”にされた。鬼と同化を始める姉を前に、ついに葛城家の「鬼の祭り」が開始した。いつき達はみかんを救えるのか!?】
「魔法使いって格好良くて誇り高くて─困っている人を助けてくれる─そんな存在だと思います」
「それはあなたを助けたのが魔法使いだったから?」
「あたしが見てきたのが─そういう人たちだったからです」
素晴らしきかな、お人好し!
派遣会社<アストラル>の最年少、ロリ巫女・葛城みかん。
神道の名家、葛城家に秘められたおぞましい因習に縛られた彼女の過去に、ついに決着がつけられる最新刊、下巻。
精緻な設定の本格派。東洋と西洋の魔術がときに交錯し、
そして激突するハイブリット・マジカルファンタジー。
いつも周囲から比較され誤解を抱えたまま育った香とみかんが、ボロボロの姿で、お互いに歩みよる場面に泣けます。
辰巳と弓鶴も、彼女らのためになんとかしたいと思ってるんだったら、独りで抱え込まずに、もっと協力し合っていれば、
きっと別の方法でやれることがあっただろうに。
大切な相手だからこそ自分一人ですべてを背負おうとして、
四人とも庇い合って身動きがとれなくなってしまったんだろう。
って、香と辰巳に兄妹愛以上の何かを感じたのは私だけか。
葛城鈴音の非道なまでの厳格さも、彼女なりにみかんの将来を苦慮した行動だったんですねぇ。最後だけ、妙に優しいし。
鬼よりも怖い鬼婆かと思ったら、ばーちゃんツンデレかよっ!
肝心のいつきは、下巻の終盤までサッパリ活躍なしですが、
久しぶりに『社長命令だ』が出てきたのは格好よかった。
一人一人は超一流でもバラバラのメンバーたちを、まとめ挙げるのが、この物語でのいつきの役割ですから。
ただ、穂波やアディリシアとの恋愛模様なんかを、もう少し進展させるなり、掘り下げるなりして欲しいのですが。
ハーレムなのにラブコメな日常が不足している気がする・・・。
そしていつきの義妹はいつになったら登場して、私を悦ばせてくれるんですか・・・orz