ダフロン

2012年09月07日

オカルトリック 02/大間九郎

4800200822オカルトリック 02 (このライトノベルがすごい! 文庫)
大間 九郎 葛西 心
宝島社 2012-09-10

by G-Tools

元狐憑きの探偵助手・玉藻と、超絶美女の引きこもり探偵・ねえさん、向上心溢れるメンヘラ・イソラちゃん(キーワードは女子力! )。ギリギリのバランスを保っていた三角関係は、意識不明だったイソラの姉・舞花の目覚めと共に、次のステージに移行する

 愛なくして幸福なし

 引きこもり美女探偵と美少年助手のハッピーでファッキンなオカルト事件簿。

 まさかの純愛小説だったよ。狂気に彩られているのに、どうしようもなくラブストーリーでしたよこれは。
 入院中の病室から失踪してしまったイソラの姉・舞花の足取りを追って、人里離れた山荘へとやってきたオカルト探偵の助手・玉藻が、手がかりを元に事件の驚愕の真実を暴いていく様が衝撃的でした。
 自分とねえさんの本当の関係を知ってしまった玉藻が、それでも捧げた愛の形に感動しました。

 可愛いのに寒気が止まらない最凶のメンヘラ、イソラたんが、ぶっ飛んでおかしくなってますね。
 玉藻の前でブリッコしてる時は女子力アピール全開で愛らしいのに、彼の見てないところではゾッとさせるような凶暴な本性を顕にしていて、最近の女子高生こええよ。玉藻ー逃げてー超逃げてー。
 策略を駆使してねえさんから玉藻を引き剥がした駆け引きとか、サーセン正直甘く見てました……。

 山荘に辿り着いてからの不思議空間文章は、ちょっと難解で読みづらく感じましたが、実は意味があったりして、玉藻の深層心理を読み解くミステリーとして読み直すと、いろいろキャラが見えてきます。
 おかしな宿泊客の未来予知に導かれるまま、嵐の山荘を抜け出した玉藻を待っていたのは見えぬ敵の巧妙な罠で、イソラ共々、そうとは気が付かないまま窮地に落ちいっていく姿に肝を冷やしました。

 今回はやけにイソラたん愛されてるなぁと思ったら、やっぱりねえさんに美味しいところだけ持っていかれて、イソラたん派の俺涙目。たまにでいいのでイソラたんのこともちょっとは思い出してあげてよぅ!
 三角関係の結末は、報われない幕切れに終わったけれど、落とし所としてはまあマシな方か。
 ハードラックとダンスっちまう物語でしたが、ラブ&ハッピーを追い求める貪欲さに惹かれる物語でした。
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