ダフロン

2012年08月13日

ブラック・ブレット 4 復讐するは我にあり/神崎紫電

4048867970ブラック・ブレット4 復讐するは我にあり (電撃文庫)
神崎紫電 鵜飼沙樹
アスキー・メディアワークス 2012-08-10

by G-Tools

東京エリアを、怪物ガストレアの侵入から守っている巨大モノリス。その一部が、ついに崩壊してしまった。予想どおり、ステージ4・アルデバランに率いられた無数のガストレアが東京エリアに侵入。それを、最前線に配備された自衛隊の精鋭部隊と民警たちが迎え撃つ。

 命の灯火が照らす希望

 人類を脅かす怪物と戦う少年少女の近未来ヒロイック・アクション。

 ロリが無残に死んでいく姿が最高に鬱に浸れる。これぞ愉悦! ワインうめえええええええええ!!
 モノリスの突然の倒壊によって、襲い来るガストレアの大攻勢を前に、蓮太郎たち民警が東京エリアで生きる人々の最後の防衛線となって、文字通り己の命を削って立ち向かう勇姿に心が揺さぶられました。
 仲間の死に悲嘆にくれることさえ許されない、生きるも死ぬも苦痛な地獄の光景に背筋が凍ります。

 プライドの高さから援軍を求めずに全滅する自衛隊やら、現場指揮官が無能で統率力のない民警軍やら、エリアの存亡を左右する危機的状況にあって面子を気にする大人たちの不手際が本当に許し難い。
 そしてその負け戦のツケを蓮太郎一人に被せて挽回しようというのだから、さらに腹立つなぁ。
 小隊を巻き添えにしないために、延殊にも黙って自分だけで死地に赴く蓮太郎の姿がやるせない。

 思わぬ援軍を得て困難なミッションを成功させたはいいけれど、戦場はますます悪化してしまっていて、多くの犠牲と悲しみが生きて帰ってきた彼をさらなる絶望に突き落とすのだからやり切れないよ。
 それでも仲間の死を無駄にしないため、生き残った者としての責任を果たすために微かな戦力を纏めあげて最終決戦に挑む蓮太郎は、自分のなすべきことをする延殊が誇れる立派な大人だったと思う。

 一方、ドス黒くて真っ暗な闇へ堕ちていく木更さんが気がかりですね……。蓮太郎に正義を訴えていた彼女が悪に染まっていく。正しくはないが彼女の強い信念を止める手立てもなくどうすればいいのか戸惑いだけが残った。蓮太郎たちの知らないところで進んでいる企みもあり、心配の種は尽きない。
 蓮太郎や木更、延殊たちに救いは訪れるのか。ただ普通の幸せを彼らが得られることだけを祈る。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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