ダフロン

2006年11月28日

銀月のソルトレージュ ひとつめの虚言/枯野瑛

4829118776銀月のソルトレージュ―ひとつめの虚言
枯野 瑛
富士見書房 2006-11

by G-Tools

【学術院都市で学生として学ぶリュカ。彼は帰宅の途中に見知らぬ少女にいきなり自らの胸を貫かれ死亡する。しかし、次の日、目覚めるリュカ。果たしてあれは夢だったのか?】
「「「・・・で、着やせがどうしたって?」」」

どうして知ったのかもkwsk

剣と魔法がすでに廃れた時代の剣と魔法のファンタジー。
学園都市で多少は平凡とはいえないものの平穏な学園生活を送るリュカが、非日常的な世界へと足を踏みこんで行く。
世界の過去、そしてリュカ本人の過去が絡んでいき、隠された一つの歴史の真相を描いていきます。

幼なじみの少女アリスを賭けて決闘を繰り返すリュカ。
しかし、単純な恋人というのでもなく、お互いへの理解がまず前提にあるリュカとアリスの微妙な信頼関係が素敵です。
お互いに親友と割り切っているが、異性として意識はしてる。
なんかそこんところのリュカの悶々とした気持ちは、男しかわからない葛藤なんだろうなぁと思います。

御伽話が現実とシンクロしていく下りは予想はしてたものの、
一気にスケールを広げ、伏線を繋げるうまい展開のやり方。
ただし、序盤にあれだけバカなノリで引き込んでおきながら、
学園都市という設定を活かしきれてなかったような・・・。

アリスも途中からはサッパリ登場しませんし。
動き回っていたのがリュカとジネットだけというのも寂しい。
非日常パートに入ってから焦って駆け出しすぎといいますか、
シリアス一辺倒でなく、コミカルな日常パートを織り交ぜて、
ある適度の気分転換を挟んでくれたらよかったと思う。

『てくてく』のときも同じようなことを思ったけど、結局ところは、
何も問題は解決していないみたいなエンドロールですね。
無事に日常に戻れたリュカに較べ、ジネットが可哀相だ。
むしろ余計に頑な性格になってしまったような・・・。
リュカの正体もわかっちゃいるんだが、最後まで明言されていないのが、ちょっと喉に引っかかって気持ち悪い。

つまりは、隣家の幼なじみと同棲中の美人妻との間に突如として勃発する三角関係が見たかったんだよ私は。
そうだラブコメだ! 彼らにはラブコメが足りないッ!!

てくてくとぼく。てくてくとぼく。
枯野 瑛

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posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(3) | 富士見ファンタジア文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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