ダフロン

2012年07月31日

トゥルークの海賊 1/茅田砂胡

4125012083トゥルークの海賊1 (C・NOVELSファンタジア)
茅田 砂胡 鈴木 理華
中央公論新社 2012-07-24

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一世に呼ばれて赴いた先には、ものすごくド派手で威厳と風格と静寂を纏ったトゥルークの僧侶がいた。実は連邦の上層部でとある大事件が進行しており、惑星トゥルークが深くかかわっているらしい。それでケリー・ジャスミン夫婦と僧侶(とその一行)とのご対面となったわけだ。

 神と恋の信仰心

 女王と海賊王。常識外の怪物夫婦が繰り広げる痛快SFスペースアクション

 世の中にはぶっ飛んだ夫婦がケリーとジャスミン以外にも、案外いっぱいいるもんだ。
 中央政府の上流階級で蔓延しはじめた奇妙な麻薬の出処を突き止めるべく、渡航の制限された現代の秘境惑星トゥルークへと向かったケリーとジャスミンの夫妻が、そこで暮らす人々と僧侶たちの特殊性に戸惑い、捜査を進めるうちに現地の人間関係の揉め事に巻き込まれていく光景が興味深かった。

 『天使たちの課外授業』でもよく語られているように、惑星トゥルークの僧侶さんたちの特異性に中央政府の役人たちが頭を抱えるエピソードがブラックユーモアに満ちていて笑いを誘い、本質は善良だがどこか強かでちゃっかりしている国民性が侮れない。過酷な風土がこういう人柄を磨いたのかな。
 大らかな態度で油断しているとケリーたちもいつの間にかいいように利用されていて愕然としそう。

 目的は麻薬捜査のはずが、ライジャの姉の結婚相談や両親の僧籍復活で揺れる宗教問題まで首を突っ込むようになってきて、騒動の行方がどーなっちゃうのと、まったく麻薬捜査どころではないよ!
 ことに異性を見る目のない恋に盲目になっている人間は厄介ですね。うまく彼女の感情を刺激して別の方向に暴走させてやるジャスミンの手口はうまかった。ありゃ男のボロが出て簡単に終わりますね。

 麻薬捜査の方は、最後でようやく進展があったけれど、身の程知らずな海賊さんの弁が恐ろしや。
 しかし、携帯サイトでの読み切り短編を前提にして書かれているって、どうなんだろう。せめてPCから読めるようにして欲しいのだけれど、スマホが対応してないってどういうことですか(バンバン
 しかもこんなところでぶった切っておいて次は『もののき』の方ってどういうことだ楽しみにしています。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(1) | C★NOVELS FANTASIA | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2012-09-09 22:37