ダフロン

2012年07月22日

下ネタという概念が存在しない退屈な世界/赤城大空

4094513523下ネタという概念が存在しない退屈な世界 (ガガガ文庫)
赤城 大空 霜月 えいと
小学館 2012-07-18

by G-Tools

国民から粗暴な言葉が喪われた時代。国内有数の風紀優良校に入学した奥間狸吉は、入学早々、反社会的組織「SOX」の創設者・華城綾女から勧誘を受ける。弱みを握られメンバーとなった狸吉は、憧れの存在である八面玲瓏な生徒会長・アンナの裏をかく下ネタテロに協力することになるのだが……!

 変態という名のテロリスト

 性知識が抑圧された世界で規制と戦う変態テロリストたちのノンストップYトークコメディ。

 タイトルによると存在しないはずの下ネタだらけで酷すぎるwww最高に頭がおかしい(褒め言葉)
 政府によって性知識が規制対象となった社会で、主人公・奥間狸吉が下ネタ大好き少女・華城綾女率いる反社会的組織「SOX」にスカウトされ、世の中に正しい性知識を流布させるためにレジスタンス活動を繰り広げるんだけれど、その言動がいちいち変態的で超くだらなすぎて斬新すぎました。

 性知識を排斥する「公序良俗健全育成法」に反対したテロリストの息子である奥間狸吉は、普通なら知ってて当然の保健体育の知識を知っているにすぎないんだけれど、規制側から見れば犯罪者予備軍の危険分子で、そんな彼に近づいてくる人々もどこか頭のネジが一本抜けた変人・変態ばかりで、片思いの生徒会長の側にいたい彼の思いとは裏腹に引き返せない泥沼にどんどん沈んでいく姿が愉快。

 正しい性知識を教わらないで育ってきてしまったために、健全と卑猥の区別もつけられず、大人の植え付ける偏った認識を信じこまされて純粋培養されている生徒たちが、ちょっと不気味でしたね。
 規制のせいではけ口のない情欲を持て余して、歪んでいってしまう若者たちが続出しても、規制側は当人たちを顧みずに締め付けを強めるばかりという独裁一歩手前の狂気に背筋が寒くなりました。

 確かに規制側の大人たちに抵抗しなくてはと思うのだけれども、その抵抗活動を導くのは日本全国のエロ本愛好家たちというから素直に賛同できねーよ! なんだよ華城綾女のあの下ネタ好きっぷりは!
 猥談なしで話が進まないし、他の登場人物もどんどん変態になっていくし、もうどこからツッコンバッコンしていいのやら……脳を卑猥に侵されたい人と、すでにもう手遅れの人にオススメですわー。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ガガガ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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