ダフロン

2006年11月22日

王子に捧げる竜退治/野梨原花南

4086008394王子に捧げる竜退治
野梨原 花南
集英社 2006-11

by G-Tools

【貧乏貴族の娘ドリー。国王主催の舞踏会で「いちばんみっともない」という理由で王子にプロポーズされてしまった。王子への復讐を誓うドリーだったが!?】
「この居並ぶ年頃の娘達の中で、この娘が一番ちっぽけでみっともない! 父上、私はこの娘を妻にすると誓うよ」

うは、王子さま最低・・・

国中の淑女が集まる中で屈辱的な求婚を受けたドリー嬢。
悔し泣きをして王子への復讐を誓った彼女のとった方法。
それは「王子に釣り合う偉大な人物」になること!
そのために国境を騒がせる竜退治の旅に出発します。
いつもながら野梨原ヒロインは逞しすぎて惚れてしまう。

王子から受けた侮辱は絶対に許せない。
しかし、本当に悔しいのは、それを否定できない自分自身。
まず自分を磨いて見返そうとするドリーが健気でいいですね。
ドリーの竜退治を邪魔するために旅に出たはずの王子も、
旅を続ける間に、少しずつ綺麗になっていく彼女から目が離せなくなっていきます。というか、もう途中からバカップルw

恋とはどんな女の子も綺麗なパピヨンにする魔法ですなぁ。
まったくもって乙女リリカルな内容で大満足だった。
野梨原花南×宮城とおこのコンビが、むちゃくちゃ懐かしい。
思えば、私の思春期はこの人たちに育まれたんですよ。
野梨原テキストは「いい加減すぎる」という声も聞きますが、
そりゃ「ちょー」シリーズを読んでないからです。

つまり野梨原の作品は最適化が進んでるんですよ。
すでに読者との共通理解が出来ていると思われる部分は、
しつこく心理描写を重ねたりしない。むしろあえて描かない。
あとは読者の想像力にまかせて自由に楽しませる。
「ちょー」シリーズさえ読破しておくと、そういったコミュニケーションめいたニュアンスを自然と感じとれるようになります。

終盤には、その「ちょー」シリーズからキャラが出張してます。
スマートは、あいかわらず素敵に無敵にイイ男だなぁ。
サリタもそれなりに気楽に魔王やってるようで安心した。
長年のファンにとっては「ちょー」シリーズの番外編ってだけでもご馳走様でしたが、せっかくだしシリーズ化して欲しい・・・。

そしていつの間にか「ちょー」シリーズ第三部とか評判になって、打ち切るにも打ち切れなくなって泥沼化してしまえっ☆

ちょー美女と野獣ちょー美女と野獣
野梨原 花南

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posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 集英社コバルト文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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