ダフロン

2012年07月12日

妹ホーム 2/柏葉空十郎

4048867083妹(マイ)ホーム〈2〉 (電撃文庫)
柏葉 空十郎 有河 サトル
アスキーメディアワークス 2012-07-10

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再び戻ってきた妹との平和な日常をかみしめる佑。だが、幸せボケのせいか遅刻しそうになった佑に、登校中に衝突をかますというお約束をした少女がひとり。背は小学生並だが、正義感と気の強さは人一倍の生徒会副会長、妹原愛だった。佑の境遇を聞いて愛が放っておくわけがなくて……

 妹と恋しよ

 高校で再会した幼なじみと一緒に暮らすことになった薄幸の貧乏兄妹のアットホームラブコメディ。

 スウェーデンでは義理の兄妹の結婚は合法…だと……!? スウェーデン始まったな!
 夏を目前にして、クーラーの必要性を感じ始めた主人公・佑が、購入費を稼ぐために泊まりがけで旧校舎の警備をすることになり、二人の妹たちも一緒についてきて、いつも賑やかな光景が微笑ましい。
 どんなときでも愛する妹が誇れるヒーローでありたい。己の信念を貫く佑の兄貴魂が格好良かった。

 前回の騒動を経て、それまで妹として普通に接してきた真伊を急に女の子として意識してしまうようになった佑が、相変わらず無邪気に懐いてくる真伊を前にして挙動不審になってしまう様が初々しい。
 いつもの貧乏ぶりに人情家な副会長・妹原愛の同情を引いて、仕事の斡旋を受けることになったまではいいが、お人好しの彼女の好感度まで稼いでしまって、知らずフラグを立てちゃうから面白い。

 真伊と舞衣まで佑の仕事に強引についてきてしまい、可愛い女の子に囲まれる佑にヤキモチを焼く愛が、イタズラを仕掛けて兄妹たちにちょっかいを出そうとするのは少しやり過ぎな気もする。
 それでも戸惑いの三角関係の中にある真伊、舞衣、佑にはいい刺激になったり、愛が三人の複雑な家庭事情を知るきっかけになったりと、人間関係が揺れ動いていく恋愛模様が甘酸っぱくて胸が高鳴りました。

 男としてはやや頼りない佑ですが、貧乏であっても理由のない施しは受けない、好意に甘えることあっても善意に甘えっきりにはならない、妹に恥じない兄であろうとする潔癖さには感心しました。
 しかし、真伊はスーパー健気でピュア可愛いくてド本命なのに、舞衣はどうしてこんなにもイロモノで残念なんだろうなぁ。ダメだこいつはやくなんとかしないと……。今回も広島弁が最萌えでした。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
“ヤキモチを焼く”というときは焼くでなく妬くの方が好ましいと思います。特別な意図があっての表記であれば異議をさしはさむつもりはないのですが。
Posted by @nsh1960 at 2012年08月09日 00:33
>@nsh1960さん
特別な意図はないです。
googleIMEで漢字変換すると「やきもちを焼く」が優先的に変換されるので気にせず使ってました。
まあ「焼き餅を焼く」だと「焼く」が重複するので、「妬く」の方が文章的には美しいですね。
これからは気をつけます。
Posted by 愛咲優詩 at 2012年08月13日 02:55
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