ダフロン

2012年07月07日

クロス・エデン 1 魔法王国ミシュリーヌ編(前)/吉野匠

4796698302クロス・エデン1 魔法王国ミシュリーヌ編(前) (このライトノベルがすごい! 文庫)
吉野 匠 村上 ゆいち
宝島社 2012-07-10

by G-Tools

高性能AIを搭載し、NPCと自然な会話ができると評判の、オンラインRPG『クロス・エデン』。平凡な高校生である片山浩介も、このゲームにハマったひとりだった。ある時、浩介は、イベントで出会った囚われの姫君・セシルに恋をする。ゲームキャラとはいえ姫を見捨てられない浩介は、救出作戦を立てるが。

 世界を超越する楽園

 オンラインMMORPG『クロス・エデン』を舞台に現実と仮想が交錯するハイリンクファンタジー。

 大人気MMORPG『クロス・エデン』をプレイしていた主人公・コースケが、とあるイベントで囚われの姫君・セシルと出会い、不条理な運命に翻弄される彼女を助けるためにシナリオを無視し始めたことで、仮想と現実の境目が希薄になり、ついには現実世界に異変が起き始める展開にハラハラヒヤヒヤさせられました。
 流行りのVRファンタジーものに伝奇風のテイストを絡めることで、これまでの作品と差別化している。

 一見して凡庸なヘタレ高校生だが、実はとても熱い男気を秘めたコースケの雄々しさが好印象。
 イケメンで天才肌な親友・シュンの起こすトラブルの尻拭いばかりしているかと思えば、完璧超人の彼ですら一目置く優れた資質の片鱗を魅せることもあって、眠れる才能、未完の大器を感じる。
 学校では埋没してしまうコースケの魅力をゲーム世界の女の子だけは理解しているのもいいです。

 突発的に発生するラッキーイベントで、お姫様のセシルと知り合い、お互いに気持ちを通わせたのも束の間、政治的な思惑で処刑されることになってしまった彼女を救うため、本来のシナリオをねじ曲げてでも一国の兵隊を相手に立ち向かうコースケの無謀なまでの正義感と、酔狂にも彼に手を貸すシュンの心意気が小気味良い。
 処刑を阻止するだけだったのに、次々と重要人物が参戦してきて大混戦に陥る光景は壮大でした。

 どういう理屈か現実世界に実体化したセシルや他のNPCまでコースケの周辺に現れて、平凡な日常が崩れてプレイヤーの狂気が現れ始めるところは背筋が寒くなるなぁ。最近の若者のゲーム脳怖い。
 でも、一番可愛いヒロインはぶっちぎりで月渚ちゃんなんですが。なにこの子健気すぎるだろ。隣の家にこんな子いたらゲームなんかしてないわー。二次元美少女よりも三次元幼女を大切にしてあげてよ。

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