ダフロン

2006年11月20日

七不思議の作り方/佐竹彬

4840236143七不思議の作り方
佐竹 彬
メディアワークス 2006-11

by G-Tools

【学校の七不思議を“制作”し、“管理”しているという「SAW」。新入生の秋月千秋は、春日未春と一緒に真相究明に乗り出した。新聞部部長・森岳詩や、さらには生徒会まで動き始めて…】

逆ギレていい?


新入生の少年と少女が、学校の七不思議を影で操る秘密結社「SAW」の正体を暴くために命を賭けたりしない青春小説。
とくに誰かが死にかけたり、危険にあったりもない。サスペンスなし、オカルトなし、ホラーなしの三拍子の学園ドラマです。
それって何が面白いの? うるせぇ!俺に訊くんじゃねぇ!!

どうにも物語が浅い。薄味。迫力がない。決め手に欠ける。
ぶっちゃけ、『十三階段』とか、『トイレの花子さん』なんて、
小学生レベルの怪談を高校生が噂するものかと。
ありきたりすぎてもはや面白くもなんともないだろそんなの。
プロローグの『下駄箱に謎の紙片が入っている』とかなら目的が読めなくて面白いかもしれないけれど。

話の大筋は七不思議の謎解きだが、トリックが古典的。
これのどこが不思議なのかが、不思議だよ。
しかも事件発生後、積極的に現場に足を運ぶでもなく、
どうでもいい学校生活が続くばかりで間がもたない。
場面ごとの要点が整理できてなくて、妙にだらだらしている。

主人公の周りにやたら出没してくるヤツらは何だったのか。
どうみても怪しすぎだお前ら。自分から見つけて欲しいのか。
単純に七不思議という要素がミステリの中に活かしきれてなかった。まあ厳しく言えばミステリでもなんでもないのだが。

でも最後に明かされる秋月千秋とSAWの行動理由は好き。
みんなわりと自己中心なキャラの様に見えていたのに、
本当はそんなことで動いてたのか!という微笑ましくなる種明かしがあります。
最初から中途半端なミステリをやろうとせず、逆ギレるアキアキと引っ込み思案なハルハルのラブコメをしてりゃよかった。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(4) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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