【ライトノベル進化論】(中)@読売新聞
【ライトノベル進化論】(下)@読売新聞
今年も紙面にライトノベル進化論を見る時季になりました。
去年は毎日新聞がやってなかった?ってカンジですが、読売新聞web版で上中下にわけて連載。
下が連載されたので先週書いた記事を更新してみました。
つーか、近所の本屋に「このラノ!2007」買いにいったのにフツーに置いてありませんでしたよ!!
なんか今どこのブログもその話題で持ちきりじゃないですか、
アゲアゲじゃないですか絶好調に最高潮に正念場クライマックスじゃないですかティッキショウ!!!
目利き協力者のはずの私が読めないってどういうこと・・・orz
ツンデレぶらずに素直に献本してもらえばかったよウワァァン!
閑話休題。
以下、かいつまみ&レビュー。
【ライトノベル進化論】(上)
●マンガ小説としての売れ行き好調について
■来春、「ガガガ文庫」、「ルルル文庫」が業界デビュー
■講談社編集部リニューアル
■ライトノベルの海外進出
まずは頭から。
レーベル立ち上げ宣言以降、かなりの間が空きましたが、
思いのほか新人賞に応募が多かったようで、無事に作家を確保できた様子の「ガガガ文庫」に「ルルル文庫」。
しかし、ガガガ文庫は絵師が不足のようで、最悪、ヒマしてるマンガ作家を引き抜いて間に合わせそうな気配が・・・。
コミティア78での臨時募集が成功していることを祈ります。
ルルル文庫の方は、HPでもフラッシュをバンバン流して、
WEB小説まで連載しているところを見ると余裕みたい。
ガガガ文庫公式HP
ルルル文庫公式HP
講談社については、先月「講談社BOX」を立ち上げ。
箱つきとは言え、悪趣味な銀ピカ箱にシールが張ってあるだけなので、この装丁については不評の声があがっています。
とは言え、西尾維新×清涼院流水の大河ノベル2007計画が発表され、奈須きのこを加えた『講談一賊三天王』の動向にラノベラーたちの注目が集まっています。
さらに講談社BOX新人賞"流水大賞"を発令し、こちらも新人の確保に乗り出してきています。
講談社BOX公式HP
ライトノベルの海外進出については、これまで意識していませんでしたが、韓国中国でのサブカルブームの熱狂ぶりや、
英語圏オタク(ギークというらしい)の昨今の傾向をみる限り、
今後、そちらの方面での話題も持ち上がるかもしれません。
【ライトノベル進化論】(中)
●新人と題材の多様化について
■電撃大賞受賞者、紅玉伊月インタビュー
■電撃文庫の経営戦略
■GA文庫大西科学インタビュー
すでにライトノベル御三家から抜きんでている電撃文庫。
理由としては、やはりジャンルの多様性と圧倒的な作品数。
新人も最も勢いがあるのがこの文庫です。
間違いなくライトノベル界の中核と言ってよいでしょう。
ライトノベル界の旗振り役ともなる電撃大賞については、
前回、『狼と香辛料』をさしおいて『お留守バンシー』が大賞を受賞してたのが、いまだに納得がいきませんが、それまでにない新しいものを追い求めていく姿勢は素晴らしい。
ただ、ヒットしている作品にやたらと近似したものを作ったり、
「ライトノベルっぽくないもの」を目指して、いつの間にか一般文芸なってしまわないように注意です。常に線引きを。
それにしても、ここでGA文庫の新人、大西科学が「注目の新人」と挙げられてるのは、かなり記者の思い込みです。
注目どころか、書評サイトを巡ると酷評の方が多かったです。
35歳でデビューというのは、手遅れじゃないのかそれは・・・。
「最近のライトノベルは知らない」って、それじゃダメだろ・・・。
ライトノベル界の新人の需要は、これからまだまだ高くなる。
2007年は、とくに賑やかな年になりそうです。
【ライトノベル進化論】(下)
●ライトノベルの傾向について
■昔は「ニート(Neat)ノベル」という案もあった
■『ライトノベル完全読本』での注目度の高まり
■越境作家の増加とライトノベルの定義の拡大
■ライトノベルと一般文芸の間、『ゼロジャンル』の登場
ニートノベルでも意味としてそれほど間違っていないような。
ラノベに真正面から向き合うには、学生では金がなく、職業人では時間がない。
真にラノベを愛し、人生を犠牲にしてまで献身できる勇者は、
もはやニートしかいないんじゃないだろうか。
ああ、ニートになりたい・・・。
そういや今年は『ライトノベル完全読本』はどうしましたか?
「このラノ!」の人気に押されて企画がポシャりましたか?
「完全読本」はガイドブックとしては読みにくいんですよね。
情報誌としては薄さ的に「このラノ!」くらいが丁度よい。
「完全読本」は無駄なエッセイが多すぎでs
ラノベ→一般文芸への越境はまったく構わないんだけれど、
私が危惧しているのは、今の冷え切った出版界を捨てて、
温かい地を求め、一般文芸→ラノベへと訪れる離島作家。
いや、絵空事じゃなくて、そのうちそういう悲劇が起こる。
面白くて萌えるライトノベルの中に、クソつまらん一般文芸が交ざって偉そうなご高説を垂れる日がいつか来るのだ!
それを回避するために重要なのが『ゼロジャンル』の領土化。
まずこの中立地帯をライトノベルが完全掌握することで、
無能な離島作家が不法入国せぬように、『死線』を引くのだ。
皆も周知の通りの『少女七竈』や『図書館戦争』などの越境作品は、実は我らが国家が送り込んだ尖兵であるッ!
驚くことなかれ!
諸君らの知らぬうちに、すでに『死線の蒼』作戦(オペコード:デットブルー)は発動しているのだ!
これは、ただの作者個人によるレーベルコンバートではない、
我らの偉大なるラノベ文化の未来の存亡をかけた戦争がいままさに起きているのであるッ!!
我らラノベラーは選ばれた民族である!
優れた者、強き者は先へ進む資格がある!
さらなる高みへ文化を押し上げ、発展を続ける義務がある!
そのためには悲しきかな、ときに未熟で怠惰な弱者を踏みつけてしまうこともある。
だが、それこそが『生きる』ということである!
誰しも生存競争の中で他の誰かを犠牲にしている!
しかし! それこそが人間を磨き、鍛えさせるのだ!
勝ち残ることを恥じてはならない!
負けなかったことを悔やんではならない!
生きる続けることを諦めてはならない!
自らを信じ、すべてを乗り越えて進むことこそが、
苦難を与えられし、我らラノベラーの唯一の誇りと知れ!
ラノベラー諸君は、そのことをいかなるときも頭において、
今後も、よりよい読書と積読の悦びを甘受するがよい!!
ハイール! デンゲキブンコー!!
ハイール! フジミファンタジアブンコー!!
ハイール! カドカワスニーカーブンコー!!
ハイール! ファミツウブンコー!!
ハイール! エムエフブンコジェーイ!!
ハイール! スーパーダッシュブンコー!!
ハイール! コウダンシャノベルズ!!
ハイール! コバルトブンンコー!!
という神の声がCV若本規夫で聞こえました。
どうみても連日連夜の寝不足による幻聴です。寝ます。