![]() | ニーナとうさぎと魔法の戦車 6 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) 兎月 竜之介 BUNBUN 集英社 2012-06-22 by G-Tools |
ニーナの憧れの歌手・リディア。平和を訴える彼女の歌声は、世界中から賞賛されていた。アンフレックでのコンサートにラビッツの出演を依頼した世紀の歌姫は実は…とんでもないわがまま娘で…!? さらにコンサートの影では、ある陰謀が進行していて…。
響け、平和の歌
魔法で動く戦車に乗って街と人々の平和を守る戦車隊の少女たちのミリタリーアクション。
音楽には人種や宗教や国境を飛び越えて、人々の心を撃ち抜く力がある。それを人は理想と呼ぶ。
世界的人気の歌姫リディアのコンサートがアンフレックで開催されることになり、ゲストとして出演を依頼されたラビッツたちが慣れない音楽活動に従事することになって、さらにコンサートの裏で暗躍する陰謀と戦うハメになって……と、今回も戦争とは、平和とは一体なんなのかを考えさせられました。
平和と自由を訴える歌姫として絶大な人気を誇る歌姫リディアですが、ファンの予想に反しワガママな性格で、共演することになったラビッツとピジョンズを辟易とさせるも、声楽に関しては自分にも他人にも厳しいプロフェッショナルであり、けれど惚れた男の前ではどこにでもいるような恋に悩む女の子らしい素顔を覗かせて、いろんな顔でニーナたちを振り回すなんともアクの強いキャラが面白かったです。
歌うことで戦争の愚かさを訴えるリディア、野良戦車と戦うことで平和を守るニーナたち、手段は違えど誰もが安心して笑って暮らせる未来を夢見てそれぞれの舞台で戦っている少女たちの姿がいじらしい。
けれど、世界に恒久的平和をもたらそうと、あえて悪事に手を染める者が現れて、平和という大義名分の名のもとにアンフレックの街を巻き込んで、世界の危機感を煽ってくるから恐ろしい。
いつ崩れてしまうかもわからない薄氷の上の均衡は、それは平和とは言えないんじゃないかな。
誰も武器を持たなくて良い社会。現実的ではなくとも、そんな理想の世界を求めて挑み続けるリディアやニーナたちの方がより気高くて尊い。最後にリディアの歌を聞いて思いとどまった人々は、きっとそれに気づいてくれたんじゃないかなぁ。どんな兵器も敵わない、素晴らしい音楽の力を魅せてくれました。


