![]() | 鳥籠荘の今日も眠たい住人たち〈1〉 壁井 ユカコ メディアワークス 2006-11 by G-Tools |
【衛藤キズナが、美大生・浅井有生と知りあったのは16歳の冬。そして誘われたバイトは、絵のヌードモデル。キズナは、その時間が次第に大切な日常の一部になっていくのを感じて…】
大切なもの、欠けていませんか?
英国建築のアパート"ホテル・ウィリアムズチャイルドバード"
そこに暮す変人ばかりの住人たちの日々を綴る連作短編集。
「主人公がヌードモデルでいいんですかね?(壁井ユカコ)」
「いいんじゃない(編集)」という打ち合わせで誕生した今作。
こうして電撃文庫のモラルは腐っていくのか・・・編集GJ!
不安定でいろいろな問題を抱えているキズナよりも、
初登場からバスタブに沈んでる俺様芸術家の浅井や、
着ぐるみパパとゴスロリ少女の山田親子が好きですね。
華乃子と浅井のやり取りは、ほのぼのさせてくれる。
山田パパの意外に頼れて人気者なところも好感触。
こういった変人アパートなシチュは脇役が濃くて好きですが、
メイン登場人物たちはフツーにマトモだし、他の住人たちは、
変人というより、ただの基地外か精神病患者にしか思えん。
そこまでエキセントリックのスメルは感じなかったかな・・・。
でも、1話目のジョナサンは泣いた。これは泣ける・・・。
あいかわらず、大人びた文章を書くお人だ。
今度も読者層は20代ぐらいの女性向けですかこれは。
中身としてはラノベよりも一般文芸に類する作品ですね。
前々から電撃のカラーじゃないような気がしてたのですが、
どちらかと言えば、本来はコバルト寄りの作家ですよね。
しかし私もそれなりにコバルトは読んでるつもりですが、
それでも正直、壁井ユカコは読んでて飽きてくる・・・。
『キーリ』も悪かないけど、ソツがなさすぎて途中で投げた。
『カスタムチャイルド』くらい突き抜けたエログロであれば、
割り切れるんだが、この作品みたいにネチネチと痛い回想シーンが繰り返されるのは、やたらとむず痒い。
キャラを描くにあたって、心理描写を長々とやってくれちゃってるのも、私にとってはマイナス要因だなぁ。
ヌーディな展開への期待をしていた俺様がエロスでした。
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