ダフロン

2012年06月11日

ヘヴィーオブジェクト第三世代への道/鎌池和馬

4048866249ヘヴィーオブジェクト第三世代への道 (電撃文庫 か 12-35)
鎌池 和馬 凪良
アスキー・メディアワークス 2012-06-08

by G-Tools

不良兵士クウェンサーとヘイヴィアは、不真面目な態度の功績(?)が認められ、晴れて戦場から『左遷』された! 戦地留学生と没落貴族の少年二人は、いよいよ俺たちにも幸運の女神が抱きついてきやがったぜ!と喜んだ……のだが、戦地の最前線よりも過酷な作戦に挑み……! 

 新しき世界の幕開け

 超大型兵器オブジェクトに生身で立ち向かう少年兵の近未来ミリタリーアクション。

 色欲まみれの学生と貴族の坊ちゃんの活躍はいいから、前巻の美幼女兵士を出せよください!
 最前線を左遷され、平和な安全地帯へと左遷された不良兵士クウェンサーとヘイヴィアが、そこで陰謀の臭いを嗅ぎつけてしまい、またもオブジェクトに狙われるハメになって七転八倒する様が愉快です。
 ただ今回はリアル王女さまの命を救うために戦う燃えるシチュがあったりして、これは映画化だな

 窓際部署に左遷されたとはいえ、バカンス気分で南の島で単純作業を繰り返していればいいものを、隠されていた悪事の証拠に気づいてしまう二人は優秀なのか、それともただ運が悪いだけなのか。
 これまで何体ものオブジェクトを倒してドラゴンキラーと呼ばれるようになった彼らには、武装した小隊やガンシップごときではもう相手になりませんね。よくもまあ他人の嫌がることばかり思いつくもんだ。

 どこへ行っても面倒事に巻き込まれ、いらない大活躍をしてはノホホンと無事に生きのびて帰ってきてしまう彼らが、次第に厄介者扱いされていくのはわかるけれど、政府の内部にも悪い奴いすぎだよ。
 王女さまの暗殺計画に気づいて、若干モチベを上げるも、いいところを他に奪われて、ざまあ。
 生死を賭けたシリアスな場面で、焦ってはいても下ネタだけは忘れない二人の掛け合いが笑います。

 汎用型の第一世代、特化型の第二世代に続く、第三世代の正体は共存型というべきか。オブジェクトという兵器を巡って、戦争のやり方や、世界のあり方まで変わろうとしている世界観が壮大です。
 王女さまのヒーローにはなれなかった二人でしたが、これはこれで感動できる美談だったなー。
 たらい回しにされた挙句ふりだしに戻ってきてしまったけれど、結局元の部隊が一番彼らに合っていそう。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。