ダフロン

2012年05月27日

お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 6/鈴木大輔

4840145814お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ 6 (MF文庫J)
鈴木 大輔 閏月戈
メディアファクトリー 2012-05-24

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那須原アナスタシアは悩んでいた。「どちらがよりマシな選択なのかしらね―昨日から穿いたままのパンツで学校へ行くのと、いっそパンツを穿かずに学校へ行くのと」 アナスタシアはふと思い出す。六年前に出会った、誰より可憐で愛らしく、だけどその美貌をわずかに翳らせた転校生、有栖川秋子の姿を。

 女神の口づけと彷徨う恋心

 長い間、生き別れていた兄妹が綴る平凡よりは少し騒がしい日常系ラブコメ。短篇集。

 那須原さんの愛情表現は絡みづらいなぁ。もうこれツンデレじゃなくてただの面倒くさい人だ。
 秋人の居ないところで女子陣が悪口大会をしたり、メガネ嫌いの秋子のためにメガネファッションショーをしたり、那須原アナスタシアと有栖川秋子の馴れ初め話やら、読んでて気持ちがほっこりしました。
 秋子がますます頭の可哀想な子になっていくんだけれど、まあそれも含めて可愛いからいいか。

 秋人と秋子のイチャイチャ二人遊びは平和だなぁ。何かと兄への愛を囁いてくるのがウザい。
 二人っきりでお金のかからない会話遊びをする光景が牧歌的ではあるんだけれど、兄妹間のルールが妙にハイレベルだ。お前ら、どうしてそんなに魚に詳しいんだよ。メシテロやめろし。お腹が空くだろ。
 優秀な妹と遊ぶのにも兄の威厳を保つために必死にズルして勝とうとするお兄ちゃんカコワルイ。

 秋人をネタに盛り上がる回では、各ヒロインにとって彼がどういう風に見えているのか興味深かった。
 メガネの話でもそうだけれど、一見、人畜無害そうでいて周囲を出し抜く奇策を用意している実は抜け目の無い奴だよね。普段が隙だらけで油断してしまうからこそ、まさかのカウンターを食らってしまう。
 まったくどこまで計算しているのか。くせ者ぶりでは会長さんとも勝るとも劣らないんじゃないだろうか。

 最後の那須原さんと秋子の運命的な出会いのエピソードでは、那須原さんの見る目が変わったわ。
 なんて要領の悪い人なんだ。一目見た時から秋子にゾッコンだったのに、その好意の表し方が迂遠で回りくどい……。秋人との関係にしたって、ボケをボケで取り繕ってきたために、もう引くに引けなくなってるじゃねぇか。そんなキャラで大丈夫か? キャラが崩壊しつつある彼女の今後の行方に期待です。

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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