![]() | 戦闘城塞マスラヲ Vol.1負け犬にウイルス 林 トモアキ 角川書店 2006-10-31 by G-Tools |
【ひきこもりの川村ヒデオがゴミ捨て場で拾ったものはウイルスまみれの古びたパソコン。最悪の電子精・ウィル子に叱咤激励されヒデオは最強の他号を賭けた「聖魔杯」に挑む。】
これがニートノベルか・・・
完全無欠のひきこもりで、ついには自殺を考えかけたヒデオ。
偶然、拾ったノートPCに憑りついていた電子精霊ウィル子と共に投げやりで武闘大会「聖魔杯」にエントリーすることに。
ヒデオ自身は実力も経験もなにもありはしないのだけれど、
生まれつきの目付きの悪さとハッタリだけでヒデオを強敵と勘違いしてビビリまくる周囲の反応が面白い。ってか、ベタな!
負け犬根性の染みついたダウナー全開のヒデオと、
ハイテンションなウィル子の掛け合いがバカバカしくていい。
通常だったら熱血で無鉄砲なリュータとツンデレっぽい魔神エルシアが主役にしたほうが話を盛り上げやすいだろうに、
このまま放っておいてもそのうち勝手にくたばるんじゃないかというような生気のないキャラが主人公というのが奇妙。
現に終章はリュータがメインですからね。
いかにも主人公らしい悲惨な過去なんかが語られて、
殺された家族の仇敵の手がかりを追いつつ戦いを繰り広げ、
なおかつ話の重要なキーを握っていそうな人物とも・触をはかっちゃったりなんかして、脇役にするのがMOTTAINAI。
悪魔か鬼かというエルシアさんもいい黒色を出してる!
ときに「戦闘城塞マスラヲ」ってなんのことでしょうか。
ここの閉鎖都市の名前なんだろうけど、そんなネーミングは一度も出ていなかったような気がしますが・・・。
最後に莫大な借金を背負ってしまったヒデオ。
稼ぐ当てのない彼は、ドリル装備で攻撃力UPを選ぶのか、
それともまた自殺ルートへと逆戻りか!?
そんなことよりも、神になれるノートは俺も欲しい。
コメント失礼しまいた。