ミスマルカ興国物語 X (角川スニーカー文庫) 林 トモアキ ともぞ 角川書店(角川グループパブリッシング) 2012-04-28 by G-Tools |
最後の紋章を手に入れるため第二皇女ユリカと共に紋章が眠る"帰らず神殿"に挑むマヒロ。ところがこれが一筋縄ではいかず!? 一方、ノエバ公の依頼によりパリエルたちも紋章を奪取すべく動き出していた――。
科学の子らが守った青空
口先だけで大陸の統一を目指すバカ王子の邪道戦記モノ。第二部スタート。
中二病の黒歴史が発覚した帝国二番姫が可愛い。『闇の法王』も十分にイタいと思いますがねぇ。
聖魔杯の起動のための最後の紋章が見つかったと聞き、探索に向かったマヒロを追いかけるように遺跡に潜入したパリエルたちと紋章を巡って熾烈な争奪戦に発展して、さらにはかつての聖魔戦争の真実を知って、いにしえの人類たちの犯した業の深さに打ちのめされる姿に胸が詰まりました。
ルナス、シャルロッテに続き今回は第二皇女ユリカ様大活躍の回でした。慣れないダンジョン探索に挑み、戦闘力皆無なマヒロを守れるのは自分だけと使命にひたむきな姿がいじらしいですね。
パリエルやレイナーに加え、風牙衆の麒麟や党首ケサランパサランの使う技には天魔将のTGMや三剣の長谷部も苦戦を強いられてと、いまやすっかりパリエルも侮れない一大勢力に成長したなぁ。
そしてウィル子の登場キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!ですね。でも、どうしちゃったの彼女は、やけに真面目なレスポンス対応で、あれ、なんか俺の知ってるウィル子と違うんだけど……バグったかな?
遺跡に眠っていた人型ユニット・シャングリラから聞き出した過去の戦争の真実は悲惨なものでした。
シャングリラも長い間、あてもない戦いを続ける自分を本当は誰かに止めて欲しかったんだろうなぁ。
すっかり後手に回った感のあったマヒロやシャルロッテでしたが、それすらも実は次への布石を打っていたという、こうした策謀を練らせると途端にキャラが生き生きと輝き始めてほれぼれしますね。
次第に迫る帝国と共和国の正面衝突を避けるべく、聖魔杯を使って均衡を保とうとしている一方で、復活目前の聖魔杯を私事に利用しようと狙っている意外な人たちの姿も……ええ、まさかあの人が!?