![]() | うさぎロボ1 謎の妹と俺たちのUFO探索記 (ファミ通文庫) 佐藤了 しゅがすく エンターブレイン 2012-04-28 by G-Tools |
ごく普通の高校生(←重要)の俺、篠原隆介はUFO研究会なる部活に属してはいるが、正直信じちゃいない。未だに信じてる幼なじみの美琴に付き合ってるだけだ。そんなある日、妙なうさ耳転校生がやってきて「我はカーリーンディア。月の裏側より来た異世界人だ」イタタタ。
UFOは実在するか?
UFOに乗ってやってきた自称・異世界人の美少女と元厨二病の少年の空想暴走青春物語。
転校生はうさぎ耳の美少女で宇宙人で妹だったんだよ! な、なんだってー!(棒)
月の裏側より来た異世界人を自称する転校生・カリンに、生き別れの兄と指名された主人公・隆介が、UFO研究会の仲間と共にUFO探しを手伝うかたわら、村に隠された奇妙な事実に気づいていってと、徐々に謎が生まれて真相を暴いていくミステリーファイルめいた展開が興味深かったです。
自称・異世界人のカリンに妹として懐かれたり、部活動でもハーレム状態の隆介が妬ましい。
しかし、UFOでやってきたと主張するカリンの空想が、かつて中二病患者だった隆介の眼には痛々しく映って、空想を暴走させるカリンに振り回されるたびに自らの古傷を抉られていく様が可笑しかった。
幼馴染やらツンデレやら女王さまやら男の娘やらUFO研究会のキャラ濃いなぁ。でも主人公影薄いな。
ただ序盤から中盤にかけての中だるみがテンポ悪いですね。UFO話も完全に美琴やカリンの空想としか思えず、読むためのモチベーションがなかなか上がらなかった。それくらい捜索パートが地味なんだもん。
せめてもっと笑いやエロスがあれば楽しく読めるんだけれど、ただ資料を探したり、地面掘ったりしてるだけで、物語の展開を追うのに面白味が感じられないのは、ちょっと不味かったと思いました。
本当にUFOがあるのか、本当にカリンは異世界人なのか、もっと妄想か真実か読者が推理できるようなヒントを出しつつ、内容ももっと練れば全体のページを半分くらいまでストーリーを圧縮出来たと思う。
あと未開惑星の学生程度に負けちゃう、帝国軍人って弱すぎだろう。なんでパワードスーツとか着てないんだろうとか、警備ロボットとか配備してないんだろうとか、ちょっとリアリティを不思議に思ったり。