ダフロン

2012年04月24日

森の魔獣に花束を/小木君人

4094513345森の魔獣に花束を (ガガガ文庫)
小木 君人 そと
小学館 2012-04-18

by G-Tools

剣と魔法が大きな力として存在する世界。クレヲは絵を描くことだけを生きがいに孤独な日々を過ごしていた。だが、名家に生まれた彼は、跡継ぎになるための試練の旅に出なければならなくなる。禁断の森へ踏み込み、そこで半人半植物の魔獣の少女と出逢う。

 僕が君に伝えたい言葉

 禁断の森に迷い込んだ貴族の少年と魔獣の少女の恋を描いた心温まる異色ファンタジー。

 これはイイハナシダナー(;∀;) 綺麗に一巻完結でまとまっていて、素直な心地良い感動をくれました。
 家督を継ぐために青い薔薇を求めて魔獣の棲む森に入った貴族の息子・クレヲが、喰人花の少女ロザリーヌと出会い、人と魔獣の垣根を越えて恋に落ちていく展開がロマンチックでときめきました。
 ちょっと怖い童話のような、でも、ピュアなラブストーリーを描いたファンタジーでした。

 特技といえば絵を描くことだけという貧弱で臆病なクレヲと、見た目は人間の女の子そっくりでとびきり愛らしくて無邪気で自由奔放なロザリーヌの組み合わせが、お互いに初々しくてなんとも可愛らしい。
 食べない代わりにペットとして飼われることになるのだけれど、ロザリーヌの気分を損ねると食べられかねないから、絵を描いたり、話相手になったりして必死にご機嫌をとる緊張感溢れる関係もよかった。

 これまで自分が見てきた人間とは違うクレヲのことをロザリーヌも徐々に大切に思うようになっていって、本能のままに孤独に森で生きてきた魔獣の少女に人間らしい恋心が芽生えていく姿がいじらしい。
 貴族の跡継ぎというプレッシャーに押しつぶされていたクレヲも自分の絵を認めてくるロザリーヌとの関係が次第に心地よくなっていって、お互いを思いやるようになっていく二人の姿がいとおしかった。

 それでも二人の種族の違いから、いつしか別れる時が来るんだろうなとは薄々予想はしていたけれど、過酷な冬を迎える前に別れようとしてた二人に突然起きたことは衝撃的だった。
 クレヲもロザリーヌもお互いに自分の身を犠牲にしてまで相手をかばい合う姿が純粋で、読んでいて温かい気持ちが胸にこみ上げてきました。最後はこれ以上ないハッピーエンドで満足。地味だけどいい作品に出会えた。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ガガガ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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