![]() | 神様のおきにいり〈2〉びしゃがつくの巻 内山 靖二郎 メディアファクトリー 2006-10 by G-Tools |
【最近は友人を家に招くようになった稲村智宏だが、桜の精・好香のせいで学校中の噂の的に。嫉妬した珠枝は兼康と“でぇと”をすると宣言し、妖怪絡みの事件へと出かけていくが】
「腰を振ると、稲村様が喜びます」
「・・・・・・あんたたち、二人で何してたのよ?」
「別に変なことはしてないぞ!」
もっと腰を! 腰を振るんだ!
少し成長した智宏と家神として戻ってきた珠枝。
可愛らしい妖怪たちが、二人の家に集まって繰り広げる、
お祭り騒ぎが賑やかな、ほのぼのハートフルストーリー。
可愛い妖怪たちの中でもコヒロのテンションがやっぱり好き。
人ならざる存在にも優しい智宏への心酔っぷりを無表情の下で覗かせる様子がたまらない。尾羽萌えに目覚めたよ!
好香と瑞穂に挟まれ、モテモテの智宏に嫉妬する珠枝も、
やきもちのやり方が幼くてニヤニヤものです。
巻き込まれてばかりの智宏も、珠枝に付き添って動き回り、
それなりに活躍があったのはよかった。
シリアスな後半では、妖怪を受け入れられると思った矢先、
妖怪と人間の間にある厳しい溝を知って落ち込む彼ですが、
エピローグの妖怪たちの大騒ぎが彼を温かく元気づけます。
人間と妖怪に古くから溝があろうとも、新しい絆を結べないわけじゃない。これから上手く付き合っていけばいいのです。
ひとつの赤飯おにぎりを妖怪と人間で分け合って食べる場面にそんな思いが溢れていて、今回のお気に入りシーンです。
人間キャラでは静江ばあちゃんがイイ。年の功ってすごい。
ただ珠枝と静江ばあちゃんの言う、"近づきすぎず、遠すぎず"というのが本来あるべき自然の姿なのだろうけど、
智宏には、そんなお互いに距離を取った付き合いではなく、
人間と妖怪でお互いに理解し合い、さらに一歩踏み込んだ新しい関係を築いていくことを期待したいですね。