モノケロスの魔杖は穿つ 伊都 工平 メディアファクトリー 2006-10 by G-Tools |
【立木ヒロはお人好しの高校一年生。ある日、ヒロは隣のクラスの美少女、麻奈が男に襲われているところを目撃する。助けに入ったヒロだが、麻奈はなんと魔法で男を倒してしまった!】
「もっと強いヤツと戦いたい──ですね」
「不意打ちしといて、それはない・・・」
魔女っ子くっろー!w
激しく悪の総帥な麻奈の独特なキャラがツボです。
無害そうな外見に反し、中身はズボラで自己中心的。
自分を助けにきたヒロをためらいなく囮にして逃げ去り、
他人の叱責にも、まったく反省のない唯我独尊な態度。
ストレートな皮肉と「〜〜だ。」という断定口調が高ポインツ!
そして正義の味方にぶっ飛んだ律も私好みな破天荒。
まさに傲岸不遜を絵に描いたような麻奈と、生真面目で努力家な律による両者のギャップが利いた掛け合いが面白い。
日常を斜めに観た麻奈のニヒリスティックなツンツンぶりは、
急所をいじくられてるようなイタ痒さを与えてくれます。
主人公ヒロも、力もないくせに「女の子が泣くって、ナンカ不幸だ」で、本当に女の子を庇いにいく姿がどうしてダサカコイイ。
自分から危険に踏みこんで行くヒロを愚か者扱いしながら、
最後にはつい助けてしまう麻奈に、また悶えてしまいます。
キャラは少なめですが、麻奈と律がぐいぐい引っ張っていく。
ただ王、騎士、魔術師、司祭のパーティをひとつの『国』とする、この話の世界観が説明不足で序盤で掴みきれなかった。
クライマックスのアクションでも、分身する敵を薙ぎ倒して、
ラスボスは覚醒した力であっさり撃破というスーパー力技な展開に終始してしまったのが難。でも、次回にとても期待。
小難しい魔術設定は取っ払うべし、かなりスッキリするはず。