ダフロン

2006年10月23日

かむなぎ 不死に神代の花の咲く/沖垣淳

4797337133かむなぎ 不死に神代の花の咲く
沖垣 淳 睦月 ムンク
ソフトバンククリエイティブ 2006-10-12

by G-Tools

【その幼い少女は、人より怪に親しむ日々を送っていた。草薙家の後継者・真幸は千尋の過酷な宿命を知り、彼女を護ることを決意する。しかしその周囲では、各々の思惑を秘めた勢力が蠢動を始めていた】

庇護欲をもてあます

『草薙の剣』の霊威を継ぐ草薙家の長男・真幸の屋敷に、
同じく三種の神器『勾玉』の霊威を伝える八坂家の少女・千尋が預けられることになった。
しかしその幼い少女に秘められた力を狙う者たちが現れ、
真幸は彼女を救うべく、過酷な運命と立ち向かう。

千尋が「萌え」より、ひたすら庇護欲をそそる。
悪意ある人間や妖怪たちにその身を狙われるあまり、
実の母親以外の言葉から心を閉ざしてしまった千尋が、
次第に真幸と打ち解けていく様子が優しくて温かい。
とくに沙耶子さんのキャラがいい。素晴らしい母親だ。

ありがちなストーリーだけど別に嫌いではない。
それよりも問題は、主人公が好きにはなれなかったこと。
熱血といえばいいが、その実、考えの浅い未熟者。
真正面から突貫していくだけの体力バカにしか見えない。

経験不足に拘らず、中途半端な自分の力をひけらかして、
より悪い結果を産み出してしまってるようでならない。
黒服に襲撃されたとき、不利な状況で迎え撃つことよりも、
逃がすことに専念してれば、誘拐されなかった気がする。

真幸のことだけではなく、後半の陽動作戦にしても、
相手に気づかれていないのに、わざわざ突っ込んで行って、
こちらの存在を知らせてやる必要はあるんだろうか。
どうにも力押しの展開ばかりで白けてしまいますねぇ。
まあ八多みすずといずずの掛け合いなど、女性陣だけはやたら面白いので、そこだけ抜き出して見れば十分かな。

さらに成長した千尋と真幸の物語なら次も読んでみたい。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(3) | GA文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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