マテリアルゴースト 3 葵 せきな 富士見書房 2006-09-20 by G-Tools |
【蛍の同級生・鈴音の姉が現れた。彼女は霊能力者の家系である、神無家を代表する能力者。そんな彼女が帯びた使命とは、ケイの排除だった!? ケイにまたもやピンチが】
「だって貴方──生きとし生けるもの、
全てに拒否されているんですから」
全世界がツンデレた!
幽霊のユウと同棲する蛍の元へ、妹の傘が訪れる。
兄が大好きな傘と、蛍を独り占めしたいユウとの仲は最悪。
おまけに鈴音の姉・深螺が現れ、蛍に『楽に死ねる方法』を教えるといい、彼の自殺願望の理由を話し始める。
世界中の人間をツンにする。
これぞラブコメの星の下に生まれた者の悲しき宿命。
しかしいつかはデレがくるさ死んだ後とかに。
空気はピンクなのに、一人とことんダウナー系の蛍と、
ラブコメ体質なヒロインたちとのまったりとダルい感覚がツボ。
お兄ちゃんにラブラブで小悪魔な妹も自分好みですが、
ロジカル鉄面皮なお姉さんもよいですな! よいですな!
ハイスペックなヘタレであるだけでなく、死にたがりという、
どうしようもなく行き詰まった蛍の葛藤も、妙なエグ味を出していて味わい深い。
いまどき珍しいほど絵に描いたようなギャルゲ。
だが、ここまで剛速球ストライクにやられると、
それはそれで凄いのでないかと錯覚してしまう次第。
というか、何気に一巻目からお気に入りってます。
心理描写がぶ厚いのが、この作家の特徴ですが、
今回はセリフが多めで、それほどでもなかったような。
ギャグの効いたコントークもなかなか面白かった。
表面だけでは計り知れない”何か”を感じさせる作家なので、
それを見極めるためにも、このシリーズは続いて欲しいなぁ。
そして次こそは真儀瑠先輩をメインに・・・。