ダフロン

2011年11月28日

キミはぼっちじゃない!/小岩井蓮二

4840142971キミはぼっちじゃない! (MF文庫J)
小岩井蓮二 鳴瀬ひろふみ
メディアファクトリー 2011-11-23

by G-Tools

稲葉悠大にはロリコン疑惑があった。幼女のパンツを手にさまよっていれば誰だってそう思うこと。決定的な場面を見られてしまい、警察に通報されそうになる悠大だが、これにはとある訳があった! 子育て。悠大は幼馴染のしおりと二人で、五歳のリリィを本当の両親が見つかるまで育てているのだった。

 俺たちは家族だ!

 迷子の幼女を育てることになった高校生夫婦の子育て奮闘記。

 タイトルからまた学園スクールカーストものかと思ったら、普通にアットホームものだったでコザル。
 迷子の幼女リリィ(5)を保護した主人公・悠大と幼馴染・しおりが、本当の両親が見つかるまでの間、彼女の親代わりとなるのですが、一緒に暮らすうちに家族の絆が芽生えてくる姿が涙を誘った。
 高校生にして子持ちパパになってしまった主人公の父性本能の荒ぶる様が可笑しかった。

 長年連れ添って気心の知れた幼馴染・しおりとの夫婦生活が和気藹々としていいなぁ。
 リリィの持つ不思議な力で、何故か高校生にして夫婦として、金髮碧眼でどう見ても日本人じゃないリリィも二人の子供として周囲の人々に認識されてしまい、同棲生活をしながら子育てをすることになるのですが、そんな超常現象をあっさり受け入れるこの夫婦の脳天気さがいい意味でスウィート。

 悠大は簡単そうに言うけど、子育ての苦労とか、こんな甘いもんじゃないだろうと思うのですが……。
 子育て生活をしてるからといって、それまでの関係と変わらないと思っていたのに、とあるアクシデントから男女を自覚してしまい、過剰に意識し合ってぎこちなくなってしまう姿がニヤニヤ。リリィGJ!
 赤の他人とは思わず、しっかりとリリィに愛情を注ぐ悠大としおりの姿がとても心温まった。

 ただ、後半の「人間死ぬときはいつもひとりぼっち」論を語り始める悠大は、それまでの雰囲気を台無しにしてくれやがったな……。それまで家族愛に熱い男だと思っていたのに、なんかガッカリした。
 ギャグ会話が多めで、肝心の子育てシーンがあまり描かれていないところも物足りなく感じましたね。
 脇役もSMコンビの掛け合いはさすがに冗長だとに思ったし、エレナはどうしてあんなに一方的で話が通じないのかイライラさせられたり。なんかテーマが脇道にそれてイマイチな感が残念だった。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫J | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック