おおコウスケよ、えらべないとはなさけない! (富士見ファンタジア文庫) 竹岡 葉月 奥村 ひのき 富士見書房 2011-11-19 by G-Tools |
高校に入学した昴介は、消えた初恋の彼女・螢に顔がそっくりな彗という女の子に“再会”する。けれど彗の性格は、おしとやかだった螢とはまるでベツモノ。挙げ句に彗は「コウスケのこと、好きです」とか言い出して!?
似て非なる恋心
見た目はそっくりだけれど中身は正反対な二人の少女に恋をした少年の"究極の選択"ラブコメ。
主人公の平凡な日常を塗り替える魅力的なWヒロインのインパクトが強烈でした。
中学時代に想いを伝えられずに別れてしまった初恋の少女・螢への恋心を引きずったまま高校生になった主人公の昂介が、螢と瓜二つな少女・彗と出会い、徐々に惹かれていく姿が甘酸っぱかった。
性格はまるで正反対なダブルヒロインに、どちらも振り回される昂介のヘタレっぷりが可笑しい。
恋愛嫌いでお淑やかな文学少女・螢と、破天荒で小悪魔的な元気少女・彗のどちらも男心をくすぐるダブルヒロインのキャラクターに魅せられました。螢は理想の女子だし、彗はとにかく妄想を掻き立てる。
それまで夢中だった野球への意欲を失くして腐っていた昂介に読書を薦め文学少年へと変えた螢の本への愛情に惚れる。私も学生時代、女の子と読んだ本の感想を語り合うとかしたかったわー。
突然の別れで告白もできないまま高校へと進学し、螢とそっくりな顔をした彗に妙に気に入られ、螢とはまったく違う彗の性格に戸惑う昂介を一方的に押し流す彼女の積極的なアピール攻勢に魅了される。
どちらも違った魅力を持ったヒロインで同じ顔なのがややこしい。螢のことはいまでも好きなんだけれど、でも、どこかで彗にも惹かれてきている自分がいてと、昂介の揺れる男心が非常にもどかしい!
個人的にはもっと中学生時代の螢との話が読みたかった。彗との関係性もまだまだって進展度だし、そもそも螢と彗は他人の空似なのかもハッキリしてないうちに続いてしまって、消化不良なカンジ。
今回はキャラ紹介がメインで、次巻くらいからエンジンがかかってくるかな。
ときに、またタイトルで損をしている系の作品だなぁ。どっから出てきたんですかこのダサイトル……。
パーティが全滅したら「おお、勇者よ、死ぬとは情けない!」って言ってたような…
いや、それはあとがきに書いてあるし、ファミコン世代なのでわかります。
ただどうしてそんな古臭いワードをタイトルに採用したのかがわからないんですよ。
全然イマドキでもなんでもないじゃないですか。