魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編〈上〉 (電撃文庫) 佐島 勤 石田 可奈 アスキーメディアワークス 2011-11-10 by G-Tools |
『九校戦』。そこでは毎年、全国から魔法科高校生たちが集い、熾烈な魔法勝負を繰り広げていた。七月中旬。第一高校でも、将来の魔法師候補たちによる優れた選手団が組織されていた。遠征メンバーには、『新人戦』に参加する司波深雪と、その兄・達也の姿もあった。
栄光と挫折の大舞台
現代のエリート校である魔法科高校に入学した兄妹が繰り広げるマジカルバトルアクション。
達也のチート性能をどこまで引き上げる気だ。もうなんでこいつ高校生なんてやってるのよ……。
日本全国に九つある魔法科高校の生徒が一同に会し、魔法の腕を競い合う競技大会『九校戦』に選手として出場することになった深雪と、おまけの技術スタッフとして同行することになった達也ですが、水面下ではその本領を余すところなく発揮していて、改めて彼の本当の実力を見せつけられました。
一年生でさらに二科生でありながら技術スタッフに選ばれたことで周囲からの嫉妬に晒される達也ですが、達也と対峙した者たちは彼の実力を陰ながら認めているのが印象的でした。
ストイックでお世辞を言いそうにない達也のキャラが、競技を控えた選手たちの緊張をほぐしている姿に和んだ。能力主義者な一科生たちとも同じ高校の仲間として打ち解ける日が来るんだろうか。
ただ達也の素顔が明らかになってくると、選手たちがやっている競技が子供の遊びに思えてくるな。
本来なら競技にも高度な駆け引きもあるんだろうけれど、パワーバランス偏ってて、一高強すぎ。
会長の真由美を始めとして華々しい活躍をみせる女性陣に比べ、男性陣の見せ場オールスルーw
登場シーンといえば、女性陣に色目を使っている場面ばかりとあまりにも地味すぎて哀れである。
他の高校にも生徒会メンバーと同程度の強敵ライバルキャラを登場させれば、ああも試合展開が一方的にならずにもっと盛り上がったんじゃないかな。せいぜい達也とまともに戦えそうなのは一条? ムリダナ!
まあ『九校戦』の長い日程や試合数を上下巻でまとめなければいけないから、話をスムーズに進めるために仕方がないのかもしれないが、主人公補正のご都合主義はそろそろ終わりにして欲しいなぁ。
いやあ…ウェブ版既読者として少しだけお話し致しますと、文庫版で八巻相当あたりまでは、主人公無双続きます(^^;
チートぶりはまだまだインフレ致します。
簡単に言ってしまえば、【敵も多いが、頼りになる味方もちゃんといるルルーシュ】ですから。
あとで判りますが、社会制度そのものが敵なので、最終的には制度革命までいくんじゃないでしょうか?
……先は長い(汗)
いや、インフレが面白くないわけじゃないですよ。
チート能力を知らない周囲に達也が叩かれている姿をニヤニヤしながら読んでいます。
ただ、ジャンプ漫画のノリに慣れた身だと、強力なライバルとの勝つか負けるかギリギリの激闘というものに燃えてしまう体質なので、そういうスパイスをいれても美味しくなるのじゃないかと思ってしまいました。
『九校編』から物語の世界観が一気に広がったのは良かったですね。
達也がチート能力で無双するだけではない話だとわかってきたので、先のストーリー展開に興味を持っています。