ダフロン

2011年11月07日

僕の魔剣が、うるさい件について/宮澤伊織

4041000416僕の魔剣が、うるさい件について (角川スニーカー文庫)
宮澤 伊織 CHAR
角川書店(角川グループパブリッシング) 2011-10-29

by G-Tools

リクが手に入れた日本刀、それは意志を持った魔剣だった!? しかも、その魔剣は美少女の姿で実体化し、リクを罵倒する超毒舌娘。嫌がるリクを巻き込んで、彼女は襲いかかってくる他の魔剣たちとの闘いに突き進む!!

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 登場人物の考え方がよくわからんかった。というか、考えているようにはまったく思えない。
 所持することで戦闘衝動を掻き立て、魔剣遣い同士殺し合うハメになるとはいえ、意思を持った魔剣≪夜来たる≫を見捨てておけないまではいいよ。泣いてる女の子を置き去りにする糞は男じゃない。
 普通の日常に生きてきた彼が、当然殺伐とした世界に巻き込まれて戸惑うのも気持ちはわかる。

 ただ戦いたくない、人を殺したくないと言いながら、ノコノコ敵の魔剣遣いの呼び出しに無策で応じて行くなよ。戦闘する気がないなら逃げてりゃいいじゃない、なにホイホイ釣られてるんですか。
 あと≪夜来たる≫と不殺の誓いを立てるときに、「魔剣は折っていい」って、ヲイ。魔剣遣いの殺し合いが生贄として儀式魔術に利用されてるから魔剣は折っちゃダメって知ったばかりでしょ……。

 才森さんもキャラはいいんですが、主人公の魔剣を回収しにくるだけなら別に同じ学校に転校してくる必要性ゼロですよね。魔剣遣いの戦闘を止めるのが目的なのに、本人が魔剣を持っている理由について、≪凍月≫は遣い手がコントロールできるから魔剣遣いと戦わせてもいいんだって、それは答えになってないな。安全装置がついてるから拳銃持った相手に拳銃で撃ち合ってもいいんだ的な論理だよ。

 あと他の人からも言われていることだけれど、魔剣遣いの戦闘が秦の始皇帝の時代より前から続いてるのであれば、魔剣の大本の数が200本前後ってのは少なすぎると思う。
 それにたかだか200人程度の生贄ってのも少ない。病気なら数千人、戦争なら数万人単位で死ぬわけで、200人ぽっちの生贄でできる魔術っていっても大したことないんじゃないか?

 どうも話に細かいアラが多くて総合的にリアリティが欠ける。もうちょっとブラッシュアップが必要だった。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 角川スニーカー文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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