まよチキ!9 (MF文庫J) あさのハジメ 菊池政治 メディアファクトリー 2011-09-21 by G-Tools |
涼月家を出た俺たち坂町兄妹は、マサムネの家に居候していた。相変わらず素直じゃないんだが、少しずつ紅羽とも打ち解けてきたようで、人当たりも柔らかくなった気がする。どこか家族のように温かな、ちょっと悪くない、つかの間の生活。だが、そんな居候デイズも突然の訪問者により終わりを迎える。
本当の家族になりたくて
女性に触れられると鼻血を噴いて失神する女性恐怖症の少年と男装執事少女の学園ラブコメディ。
ジローは、どこに行っても犬小屋とペット暮らしが似合うメガネだなぁ。え、彼好きでやってるんでしょ?
涼月家での使用人暮らしから開放され、マサムネの高級マンションで暮らすようになったジローですが、学園側に同居生活がバレてマサムネと付き合っていることになってしまって、涼月さんの悪ふざけに巻き込まれたりと、相変わらず周囲の状況に対する流されぶりがとどまるところを知らない。そろそろ懲りろ。
マサムネとの同棲生活。さぞや美味しい展開が待ち構えているだろうと思いきや、男性恐怖症の治療と称して手を繋ぐのがやっとって、初々しいにも程がある。まあその潔癖さがマサムネの長所だけど。
坂町兄妹との疑似家族生活で一家団欒の温もりを知って少しずつトゲが取れていく彼女が愛おしい。
それでも未だに意地を張ってしまうんだけれども、デレているのが見え見えの姿に頬が緩みぱなし。
ジローとスバルの関係の変化を目ざとく察知した涼月さんの今回の悪だくみはインパクトあった。
常に過去の驚愕を覆していくデビル涼月さんマジラスボスやわぁ。ただ本音はスバルとジローのことを思っての行動だったんじゃないかな。途中まではジローたちを手玉に取っていた涼月でしたが、マサムネの思わぬ反撃は完全に予想外でした。丸くなってマサムネにも自分が見えてきたんでしょうね。
誰もがお互いを思いやっているのに、少しずつすれ違って傷つけあってしまう姿はホントに辛い。
これまで涼月にいいように弄られっぱなしだったマサムネがついに逆襲の機会を得て、ストーリーもそろそろ終盤を迎えてきたかな。ジローだけでなく、スバルや涼月までもが迷走状態にある中で、今後どのようにまとめてくれるのかが楽しみです。