いもうとがかり (MF文庫J) 月見草平 pun2 メディアファクトリー 2011-09-21 by G-Tools |
僕、天乃翔太は理系タイプ。どんなことでも科学的に考える超理論派。そんな僕はこれから好きな人に告白をする。相手は同級生で成績優秀・容姿端麗の一片愛さん。玉砕覚悟で想いを伝えると……。「つきあってもいいぞ、木星人の私でよければな」――告白する相手を間違えたorz。
電波女と現実男
電波な妹の世話をする“いもうとがかり”になってしまった理系少年のトライアングル学園ラブコメ。
電波でも可愛い女の子に慕われてなにが不満なんですかー!!!むしろポイント高いだろ電波(キリッ
自分を木星人だと自称する少女・恋に人違いで告白してしまい、付き合うことになった理屈屋の主人公・翔太が、電波な彼女と交際を深めるうちに自分の気持ちに素直になっていく姿に心和みました。
妄想設定を垂れ流す恋を論破しようとして逆にやりこめられる翔太がなんとも滑稽で笑いを誘う。
ちょっとばかり電波が激しく、自分を木星人と主張して譲らない恋ですが、それ以外のことはしっかり言い聞かせれば素直に聞くし、時折、普通の女の子らしい感性も覗かせる一面が可愛いいです。
地球人の生態調査と称して、翔太とのデートをねだったり、愛情表現を迫ってくるなど、恋人になったばかりの翔太を一途に慕って、次第に心を許していく彼女が愛らしくてたまらんです。
一方、すぐに誤解を解けばいいものを、体裁が悪いからといつまでも言い出さない翔太が不誠実で、理屈屋っぽいキャラや、何かと確率確率言い出す言動がイチイチ気に障るんだけど、彼もどこかで道を外れて、夢を見失ってしまった存在だとわかってくると、ちょっと哀れな奴かなと思えてくる。
結局は彼女を傷つけてしまったけれど、関係を正しくやり直すためには避けて通れなかったのだろうなぁ。
恋と付き合うことで、夢に向かって駆けずり回っていた過去の自分を取り戻していく過程は、読んでいて自分自身の子供の頃を思い出して懐かしさにしみじみ胸を打たれますね。
現実と常識に囚われている主人公と空想と妄想に捕らわれているヒロインの二人がうまく中和しあって、お互いにいい方向に変わっていくのが清々しかったです。さて、次回は姉のデレがくるか?