![]() | シースルー!? (電撃文庫 あ 31-1) 天羽 伊吹清 雛咲 アスキー・メディアワークス 2011-09-10 by G-Tools |
速水柾は困っていた。クラスメイトのスーパーお嬢様・叶原七紘。口下手な柾にはとても手が届かない、天使。いや女神。彼女の服が……柾にだけ、ちょうど一枚分透けて見えるのだ!! 今、彼女はブレザーとスカートが透けて、ブラウス一枚。裾からはちらりと純白の……っ!
その視線の先にあるもの
好きな相手の衣服が透けて見える能力を授かってしまった少年の懊悩学園ラブコメ
これはけしからんエロス。そりゃあ、常時パンモロ&ブラモロ状態なら、主人公も勃っちゃうわー。
通りすがりの神社で恋愛祈願を祈ったら、何故か片想いの相手限定での透視能力を得てしまった主人公・柾が、罪悪感と煩悩の狭間でもがきながら、恋を成就させていく姿が涙ぐましくて可笑しかった。
透視能力に始まり、次々と起こる不可思議な恋愛イベントの連続が飽きさせなかった。
女子の服が透ける能力なんて、それこそ男子のロマンだけれど、変に真面目で誠実な柾にとっては、厄介事に巻き込まれたも同然で、周囲にバレないよう必死に取り繕うあまりにかえって挙動が不自然になってしまい、そんな自分への嫌悪でひたすらに落ち込んでいく姿が哀れで見ていられない。
男の本能としては見たいけれど、男としては見てはいけない、そんな微妙な男心が同情を誘います。
そんな透視騒動でドタバタしつつも、なんとか自分の想いを告白して憧れのヒロインと両想いになることができた柾でしたが、めでたしめでたしかと思いきや、そこからの事態のこじれっぷりがすごかった。
柾に透視能力を与えた神様に身体を奪われたり、女子の身体に憑依して女子の水泳の授業に参加したりと、ラッキースケベな美味しい展開が目白押しでまさに神がかっていました。
話の流れはひとまずよしとしても、ちょっと場面転換が掴みづらかったかな。会話文のテンポを重視したためか、登場人物がどこにいて、どういう状態にあるのかという情報がわかりにくかった。
ヒロインたちも可愛いことは可愛いんですが、みんなお色気要員としてのキャラ立ちで終わってしまって、個々のキャラの魅力を引き出しきれていなかったように思います。
まあ作者が「この作品のウリはお色気だ!」って断言して、確かに狙い通りにはなってるけれども。