![]() | 花守 越後屋 鉄舟 文倉十 ソフトバンククリエイティブ 2006-08-10 by G-Tools |
【花橘子規は鬼を自らに降ろす憑巫「花主」。それゆえに短い寿命が宿命づけられていた。彼女を守るために、花主を守護する「花守」になった蔵内春嶽。それは過酷な運命の始まりとなった。】
どこのギャルゲかと
異能故に短い寿命を定められたお嬢様、子規。
そして彼女を守る役職に就いた幼馴染の少年、春嶽。
許されない二人の儚く切ない恋物語。
昔懐かしの泣きゲーみたいな典型的あらすじですな・・・。
なんか分岐ルートがいっぱい見えました。
責任感が強くてドジっ子な子規をメインヒロインとして、
その妹の元気っ子属性、小萩。同級生で姉御肌タイプの大塚。さらに実の姉までフラグの餌食にしちゃってます。
この一昔前のラブコメクオリティはなんだってんですかい。
春嶽ダメ夫だし
惚れた女が他の男の嫁に行ってしまうってときに、
このダメ夫は何をいつまでも迷っちゃってんの。
好きな女から「駆け落ちしよう」とお願いされて、
おまっ、そこで逃げたら男じゃないだろっっっ!!!
百万歩譲って、まあ一度は逃げてもいいさ。
不様を晒す負け犬状態から立ち上がるのも男さ。
だが結婚式は阻止しなきゃ! 花嫁を強奪しないと!
男が成すべき何たるかを、さっぱり分かってないコイツ!
ゴルゴなんぞ読んでないで、お前は上等。シリーズを読め。
鉄平はいいぞぅ! ヤツこそまさに男の中の男だ!
ギャルゲにしては見せ場のセンスが悪いかも。
感動させるべき場面を挿入するタイミングがなってない。終盤での春嶽の選択肢がとにかく最悪です。
コイツにもう少し決断力と行動力さえあれば、問題は起きなかったような希ガス。
作者があとがきで読後感がどうのこうの言ってますが、
後味は間違いなく悪い。他人に薦めようとは思いません。
読後感の良し悪しは、ハッピーエンドならいいじゃなくて、
重要なのは読者が物語に納得できたかどうか。
主人公の下した決断、ヒロインの選んだ行動。
それが読者にとって人間にとって正しい事だったかどうか、
その共感の具合によって物語の評価が変わってくるのです。
まあ俺も、お前らも人生は間違いだらけなんだろうけど。
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