ダフロン

2011年09月11日

神様のメモ帳 8/杉井光

4048708104神様のメモ帳 8 (電撃文庫 す 9-16)
杉井 光 岸田 メル
アスキー・メディアワークス 2011-09-10

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年末年始、四代目を悩ませていたのは頻発する雀荘荒らしだった。なぜか麻雀打ちとして駆り出された僕は、雀荘で奇妙な男と出逢う。雛村玄一郎――なんと四代目の父親!

 春に微笑む白い花

 都会の街中にたむろす愉快なニートたちが、持ち込まれた事件の解決に奔走する探偵モノ。

 モブ同然だった彩夏がヒロインに返り咲いた。いや、ヒロインというか、オカンだこれwww
 平坂組に持ち込まれた雀荘荒らしをきっかけに、鳴海のもとに次々と舞い込んでくる事件を追っていくうちに、別々の事件かに思えたそれぞれがひとつに繋がってくる怒涛の展開に引き込まれました。
 いくつかの家族の姿を通して、家族とは何だろうかと考えさせられました。

 繁華街でも、学校生活でも、すっかり鳴海の名前が周囲に知れわたっているのがすごいわー。
 もう高校中退しても立派に業界ゴロとしてやっていけるよ。むしろ校内の場面の方が違和感あるもん。
 さらにここにきて博打打ちの才能まで見せましたからね。ジゴロとしても、絵師としても無駄に才能に溢れていやがる。忙しくて構ってくれない鳴海に意地を張ってしまう寂しがり屋なアリスが可愛い。

 四代目と父親との間を取り持って、四代目からの信頼も高まったかと思えば、過去に自分たちを貶めた麻薬「エンジェルズ・フィックス」が事件に絡み始め、その捜査を巡って仲違いしてしまう鳴海と四代目の姿がつらかった。どちらが絶対に正しいとか、間違っているという問題でないだけにやるせない。
 しかし、誰に依頼されるわけでもなく、自分の意志で事件を追う鳴海の逞しい成長ぶりがよかった。

 結末は予想外でしたが、彩夏を悲しませる前に解決できたのでハッピーエンドでしょう。彩夏にとってはこれから乗り越える問題はたくさんあるでしょうが、鳴海が力になってくれるんじゃないかな。
 エピローグまで読むと、表紙のお花畑の意味がわかってニヤリ。これまで語り足らなかったエピソードをまとめたシリーズの集大成と言える巻でした。いよいよシリーズとしてもクライマックスなのかな?

posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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