![]() | ログ・ホライズン3 ゲームの終わり(上) 橙乃 ままれ エンターブレイン 2011-08-31 by G-Tools |
シロエたち【円卓会議】の代表らは、大地人同盟との交渉にのぞむため、アキバを離れた。同じ頃、新人プレイヤーを鍛える夏季合宿が開始。同レベルの仲間とともに、トウヤとミノリもダンジョンに挑むものの失敗の連続。戸惑い、衝突、敗北……新人プレイヤーに訪れた初めての試練。彼らの力が、今、試される!
仲間がいるから、戦える
オンラインゲームの世界に閉じ込められたプレイヤーたちが世界を変える冒険に挑むファンタジー。
これを読むとオンラインゲーマーの血が騒ぐが、同時に畑を耕したり、物づくりに挑戦してみたくなる。
新人プレイヤーのための夏季合宿に参加したトウヤとミノリの双子が、即席パーティで初めて挑むダンジョンで失敗と挫折を繰り返しながら、仲間との信頼を深め、共に成長していく姿が素晴らしかった。
一方、シロエも政治という大きな舞台に出て、大地人との駆け引きを繰り広げる場面が見所でした。
誰が悪いわけでもないんだけれど、何故か上手くいかないという、ミノリとトウヤたち新人プレイヤーの失敗談は、オンラインゲームの経験がある読者ならば、誰しも一度は味わったことのある話でしょうね。
自分はベストを尽くしているつもりなのに、結果が伴わないもどかしい思いで一時は気分が沈んでしまった彼らだけど、自分たちの問題に気づいてからの大進歩は読んでいるこちらまで嬉しくなりました。
大地人の領主たちとの交流を重ね、腹の探り合いをするシロエは妙に活き活きとしているなぁ。
<大災害>について大地人側からの情報が得られたのが大きかったかな。まだまだ謎が尽きない。
シロエにどこか似て"イイ性格"をしているクラスティと綺麗なのにものぐさな大地人の公女・レイネシアのやり取りが可笑しかった。次回はこの二人がメインということらしいので次回に期待。
ちなみに実際のMMOでは、高レベルになってもPTで連携のできないプレイヤーはかなり多いです。
ジョブチェンジのできないシステムのゲームタイトルだとそれが顕著ですね。オフラインのRPGでも、同じようにPT内の役割分担ってのはあるはずなんですが、その感覚を自分に置き換えるということができないらしい。あとはプレイヤーの性格とジョブの役割との相性にもよります。
これは私の考えた役割区分ですが、一般的なジョブってのは受動職と能動職に分かれるんですよ。
壁役のタンクと回復役のヒーラーは、敵の攻撃を受け止めたり、減ったダメージを回復させたり受動的な動きをメインにするので受動職。アタッカーと支援職はヘイトコントロールやサポートをしたり能動的な判断で動かなくてはならないので能動職。
受動職が自分勝手な判断で動くとPTが混乱するし、能動職は受け身で動いてからでは遅いのです。
受動職はルーチンワークをこなせる精神力と忍耐力、能動職は戦況を把握して最善手を行う分析力と判断力が求められます。また受動職は反応速度、能動職は先読みの素質もかなり大切ですね。
そうして考えてみると、この作品のキャラクターはそれぞれジョブに見合ったキャラで描かれてるよなぁ。