![]() | 犬とハサミは使いよう 3 (ファミ通文庫) 更伊 俊介 鍋島 テツヒロ エンターブレイン 2011-08-29 by G-Tools |
相も変わらずドSな夏野の飼い犬な日々を送る俺。そんなある日、夏野が誰かに見られていると言い出した。それ警察だろ、いつも犬【俺】をいじめてるから。だが夏野との外出後、帰宅して愕然。留守中に本が一冊増えていたのだ!誰かが忍び込んだのか?だが何で、どうやって!?
戦わずしては書けないお仕事
犬に転生し憧れの作家に飼われることになった読書狂の少年の不条理な同居生活コメディ。
作家と書いてデュエリストと読m・・・・・・ねーよ。作家は誰と戦ってんだよ。あっ、〆切か!
大人気作家・秋山忍こと夏野の周囲に現れ始めたストーカー。その正体を探って一人の新人作家の存在に辿り着き、そこで勃発する作家同士の意地と誇りをかけたバトルにまたしても愕然とさせられた。
コメディなんだけど、作家の熱い信条と心情が描かれているところが胸にグッときます。
相変わらず、和人の本と本屋への異常なこだわりが、本好きの習性を的確に表現していてニヤリと笑え、読書バカな彼を容赦なく虐げつつも、時折、デレを見せる夏野さんが可愛らしくてたまらない。
夏野さんがどうしてあんなに強いのかは謎なのだが、まあ作家って非常識な存在ですもんね。
しかし、いつもいつもハサミで毛を剃られていると、そろそろハゲるんじゃないか? むしろストレスで。
本物か偽物か、作家としての在り様に苦悩する映見さんだけれど、誰に影響を受けていようと、話が面白くて読者が喜べばそれでいいんじゃないかなぁ。ときに既存作の劣化にしかなってないような作品も出まわるけれど、どうせつまらないし、それは書いてて楽しいのか?といつも疑問なんですが。
もし作家の資格というものがあるとすれば、自分は作家だと誇りを持つことなんでしょうね。
二人の作家によるライティングデュエル(笑)を自然に受け入れている自分がいて困る。
まあこういう展開になると思ったよ。逆に期待してたわな。完全に予想通りだったよ。でも、作者の仕掛けた釣り針に釣られている気がしてならないんだよ! ・・・・・・これが癖になったらどうしよう。
最後は美しく纏まりましたが、また増えた変人に生活を脅かされるようになった犬頑張れ。超頑張れ。
ちなみに私は、この作家のこの作品が好きだというのはあるんですが、この作品を書いたこの作家が好きだというのはないんですよね。作品が読めれば、作家がどういう人間かは気にしないです。
というか、私も稀にラノベ作家さんと交流を持つ機会があるんですが、自分はこんな感想ブログを書いてる身なので、正直、気まずい・・・・・・。どんな顔をして挨拶すればいいんですかね・・・・・・?