変態先輩と俺と彼女1 (富士見ファンタジア文庫) 山田 有 犬洞 あん 富士見書房 2011-08-20 by G-Tools |
俺には一歳年上の幼馴染がいる。彼女の名前は涼風せしる。エメラルド色の瞳を持つ夢のような美少女で、見ての通り変態で、そのうえ天才でもある。高校入学早々も、“ハーレム団”の結成を宣言。止めようにも先輩の嗜虐心に火をつける事を熟知している俺は、とりあえず付き合うことに。
信じれば 愛の力は 無限大
美人で天才だけれど変態な幼馴染をもってしまった高校生の学園ラブコメディ。
幼馴染が変態すぎてヤバイけど、こんな幼馴染がいたら毎日が楽しくてしょうがないだろう。
世界に名だたる天才でありながら変態な幼馴染・涼風せしるの思いつきに巻き込まれ、いつも苦労を味わう主人公の日野柊一ですが、周囲には理解されにくい彼女を大切に想う姿が微笑ましかった。
設定はちょっとぶっ飛んだところはあるが、その常識外れの展開が可笑しかったです。
類稀な美貌と抜群のスタイルに天才的な頭脳を兼ね備えながら、男のベッドに忍び込むわ、ノーパンで登校しようとするわ、学校内でハーレムを作ろうとするわ、すべての長所を打ち消して余りあるほどの変態っぷりが残念なせしる先輩ですが、エキセントリックで端から騒動を見ている分には面白い。
自分勝手なだけでなく、自分なりの美学を持って人助けをしようとする心意気には感心した。
それでもパッと見には不健全極まりないせしる先輩を見るに見かね、品行方正な努力系の美少女・詩緒里が勝負を挑むんだけど、あっさり負け。落ち込んでいるときに優しく慰めた柊一のことを次第に意識し始めて、柊一を巡る乙女の戦いへと発展していく流れは美味しかった。
せしる先輩も詩緒里も柊一の前では溌剌とした女の子らしさが弾けていてどちらも可愛かった。
弁当シェイク事件以降の展開はちょっと強引に感じたかなぁ。それまでは二人とも、せしる先輩のフェアプレイ精神を信じていたのに、どうして急にハナから彼女の仕業だと疑ってかかるのか・・・・・・。
SFチックなアクション要素はとくにいらなかったと思うんだけどな。詩緒里の誤解をちゃんと解こうよ。
次回は美幼女がハーレムに加わることを期待しよう。高校にだって幼女はいるよ、きっと・・・・・・。