緑のアルダ 龍の歌 榎木 洋子 集英社 2006-07 by G-Tools |
【西の自治領を目指すラダと連れ去られたアルダ・ココ。アナンシアは守龍探しを一時中断し、合流したルダートと共に跡を追う。コーサ国に守龍は訪れるのか。守龍の旅完結!】
まだ引っ張るか三下
和解できたアナンシアとルダート王子。
ますますヘタレってるカートラムが萌えるんだけど、
最後までラダに振り回される顛末はホント勘弁して・・・。
あまりにも頭がガキんちょで疲れてきましたよ。
それにルーエが龍の中の人ってのはバレバレなので、
「ピンチでもどうせなんとかなっちゃうんでしょ?」
という甘えがあるから、どうしても戦闘で緊張感に欠ける。
戦力差では圧倒的にアルダ・ココたちの方が強いのに、
いつまでも決着を先延ばしにする展開が非常にダルい!
シリーズ全体で敵対する相手としては完全に力不足。
一冊丸ごとラダエピソードは紙の無駄使いですよ。
やっぱりラダは前々巻ぐらいで殺しておくべきだった。
その分、アナンシア×カートラムの恋ドラの進展と、
守龍をGETするまでの過程にページを厚くしないと。
さらにコーサ国が復興する光景なんかが見られればベスト。
その点が肝心だというのに、最後のたった数ページ・・・。
エピローグ詰めすぎ!
長年の榎木ファンの私からしてみれば、
まったく本気を出してるように思えなかったなー。
完成度で言えば、片手間に作れる、まかない料理の出来。
とくに第二部inしてから、何もかもが薄っぺらくグダグダ。
刊行スピードは三ヶ月に一冊という速筆だったけど、
すべてにおいて仕込みの時間が十分でないのは明らか。
このシリ−ズを体言する四文字熟語は、まさに『竜頭蛇尾』。
次回作もまた守龍ワールドの物語らしいですが、
もっとじっくり練り込んで、煮詰めてから描いてくだせぇ・・・。
あれ?シェイラばーちゃん登場すると思ったのに出てねーや
わたしもこの最終巻がどうにも中途半端で不満でした。一番大事なところが全然語られていない。そうしたら、榎木先生公式サイト内のブログで外伝を書くとの発表がありました。とりあえずこのまま終わってしまうわけではないので一安心です。そこでシェイラのことが書かれることを期待して待ちたいと思います。