![]() | トカゲの王 1 (電撃文庫 い 9-22) 入間 人間 ブリキ アスキー・メディアワークス 2011-07-08 by G-Tools |
俺に与えられた能力『リペイント』は、インチキめいたまがい物。でも、俺には世界を“塗り替える”資格がある。このインチキこそ、俺の力なんだ。どこまでもなにもかも騙し抜く。まず手始めに、俺自身も騙す。そして、目の前に立ちはだかる不気味な殺し屋どもから必ず逃げ延びてやる。
我が名が最強である理由をここに証明する
中二病を患ったウソつきが『最強』を目指す異能力バトル小説。
入間イズム全開の狂った人間たちの残虐猟奇劇。相変わらず後味が苦いお話だなぁ。
ラノベ主人公のような刺激溢れる世界に憧れる主人公・トカゲが、本当の異能者たちの殺し合いに遭遇し、生き延びるために試行錯誤と七転八倒を繰り返して次第に精神が壊れていく様が異様でした。
入間人間が異能モノを書くとこうなるのか……異能あってもなくても、いつもと変わってねぇじゃん。
なまじ瞳の色を変えるという微妙な能力『リペイント』を持ってしまったためにラノベ的世界観への憧れを捨てきれないトカゲくんの中二病っぷりが実に痛々しいね。深夜、密かに誰もいない廃ビルに忍びこんで修行まがいの夜遊びを繰り返している姿とか、カッコ良すぎて泣けてくるぜ……。
その甲斐あって望んでいた殺し合いに巻き込まれるハメになるのだから運が良すぎて運が悪い。
本物の殺し屋と能力者の争いのとばっちりを受け、ほぼ無能力に近い人間が高望みした報いはあまりに大きくて、主人公だからと容赦のない傷めつけられっぷりに引いた。というか、コレ普通死ぬだろ。
現場で唯一、ヒロインの巣鴨だけはトカゲくんの味方なのかと思ったら、一番ヤバイ人だったー!
パートの合間に仕掛けられたトリックには見事に騙された。こういうことをする作者だって分かっていたのに……くやしい。
しかし、異能力バトルにおける騙し合いとか、駆け引きとかそんなのまったく無かったような……。
主人公のトカゲくんがトチ狂って特攻してっただけじゃないですかね? 眼の色を変える程度の能力でどうやって戦えばいいんだよ、と言ってしまえばそうなんだけど。応用の効かせようがない彼の能力は異能バトル系主人公の中でぶっちぎりで最弱かもしれない。読者の期待した頭脳戦は次回からかな?




