悠久展望台のカイ 早矢塚 かつや メディアファクトリー 2006-07 by G-Tools |
【失恋した響依泉子の前に姿を表した世界の意思。そして人間の少女と世界は恋をした。出会えないはずの二人が出会うとき、優しくせつない物語が始まる】
「この世界にあるすべての物語が、
すべてハッピーエンドだったらいいのに」
禿同
中学生の依泉子と世界を傍観する意思である『カイ』。
宇宙の果ても、人の心の中までも見て読み取る『カイ』は、
初めて自分を認識した人間の少女と恋に落ちる。
それは世界で一番大きく、世界の終わりまで続く永遠の愛。
けれど決して結ばれることのないラブストーリー・・・。
ハッピーじゃないし!
やめて、悲恋オチにするのは・・・。
こういう切ないラブスト−リーに弱いんだよ。・゚・(ノд`)・゚・。
徐々にカイの姿が見えなくなり、別れるのときが迫っても、
それでもカイを想い続け、哀しみに囚われてしまう依泉子。
出来事を見守ることしかできないカイには、どうすることもできない現実。そんな恋人たちの姿が見ていて辛い・・・。
愛は心を縛りつける呪いの鎖にもなるかもしれない、
だけど、本来の愛とはお互いの気持ちを結ぶ赤い糸。
物語はすべてハッピーエンドにはならないかもしれない。
だけれど作り話の世界ぐらい、ハッピーエンドでもいいだろう。
二人の恋は形を変えて永遠の物語になったかもしれない。
けど、恋人が結ばれない物語なんて絶対にバットエンドだ。
ましてやこれはライトノベル。
恋とはもっとワクワクドキドキして愉快なものであるべきだ!
とハッピーエンド主義者の私は訴える。
どんなにお約束であっても、私はラブコメが好きですよ。
カイ×依泉子よりも、優也×奈緒のカップルが良かった。
お互いに想い合っているからこそ、悲しみにも耐えられる。
ラノベのラヴ分とは、ドタバタの原動力であって、
鬱展開におちいる伏線なんぞにしてほしくないのですよ。
そういう点だと、その後、依泉子は幸せになれたのか。
カイ×依泉子のエピソードが半熟気味に思えてならない。
心理描写には目を瞠る部分もあったし、次回は誰がどうみても「とびっきりのラブストーリー」になることを期待したい。
ああ、結ばれなくていいから病弱でブラコンな妹がホスィ・・・。