あなたが泣くまで踏むのをやめない! (電撃文庫 み 8-8) 御影 瑛路 nyanya アスキー・メディアワークス 2011-07-08 by G-Tools |
俺は自分の部屋で、四つん這いになり、小学生女子(9歳、名前はアリス。ちなみに胸は皆無)の人間椅子になっていた。しかも、あろうことかお尻をペンペンされていた。ガツンと言うつもりが、むしろ俺がしつけられていた。何この現実?
折手荘は末期です
家出してきた捕食系ドS幼女と一緒に住むことになった高校生の物語。
亭主関白系男子(パクメン)って、なんだよ。それは流行らないし流行らせない。
主人公・寿也の住むアパートにやってきて一方的に脅したあげくに居ついてしまった家出美幼女アリスに振り回されつつ、どこか歪んだ家庭事情を知り、そこから彼女を救い出すべく奮闘する姿がよかった。
作者のこれまでのシリーズとは、まるで違うラブコメかと思いきや登場人物がどこか狂ってるなぁ。
毒舌美幼女に罵られて生足で踏まれたりとか、我々の業界ではご褒美です!と、いつもの私なら言ってるところなんだけど、この作品に限っては当の幼女ヒロインのアリスがあまりにもワガママで遠慮がなく、子供らしい可愛らしさよりも、子供らしい自己中心的主義が強調されて出てしまっていた。
可愛さという点では、むしろ黛さんの方が心を揺さぶられるんですが……。このひと1匹家に欲しい。
この娘の親はどんな教育をしてるんだと思えば、徐々に彼女を取り巻く環境が明かされていくにつれ、両親の人間性の破綻っぷりにドン引いた。親バカな父親はまだしも、母親の方は親失格ですね。
お互いの心が通じ合ってなくて上っ面だけを装ったいびつな一家団欒の光景が大変気持ち悪かった。
そうなると今度はアリスへの痛ましさが込み上げてきて、やはり素直に萌えの対象と見れないなぁ。
他人がそこまでするのはおかしいって言うけど、身内でも他人でも関係なく困ってる人がいれば見過ごせないのが日本人じゃないのかなぁ。そのセリフは親としての役割をちゃんと果たしてる人だけが言えるかと。まあ一言でいうと、お前らの言葉には愛が感じられない!(キリッ
もっと本音を見せて寿也に心を開くシーンなんかが序盤にあればアリスの印象も変わったかも。
それにしてもこの作品、発売前から続編が出ることが決まってるのか……。アリスの家庭の話ならもうウンザリだけど、黛さんメインだったら読もうかな。