ダフロン

2011年07月03日

オレと彼女の絶対領域/鷹山誠一

4798602485オレと彼女の絶対領域<パンドラボックス> (HJ文庫)
鷹山誠一 伍長
ホビージャパン 2011-06-30

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高校入学直後にオレが一目惚れした黒髪の少女――観田明日香先輩は、『絶対不可避の不吉を告げる魔女』として全校から恐れられる存在だった。自分が視た悪夢が100%現実化してしまう先輩の悩みを知ったオレは、従姉で生徒会長のサヤ姉の制止を振り切り、先輩の未来を変えるべく行動を開始!

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 未来を予知する絶対不可避の魔女と彼女に恋した少年の学園ラブコメ。

 ラブコメですね。これをSFとか、タイムパラドックスものとしては認められない。せいぜいパロディ。
 予知夢を見る能力を持つヒロインに恋した主人公が、彼女と付き合うために予言した未来を変えようと奔走するんですが、未来変わってねぇよ! この手のお話は、絶対に避けられない運命を如何に回避するかというところに面白味があるのにヒロインの予知能力を考察するだけで終わってしまった。

 それも『ノヴィコフの首尾一貫の原則』とか、『因果の修正力』とか、すでに出つくされた考察なので、それをさも登場人物たちが自分で発見したかのように描くのは、彼らの勉強不足を暴露してるだけじゃない?
 ありていに言って主人公が幼稚で無知で行動が独りよがり。ヒロインは主人公のバカっぷりを笑って好感度を上げていくが、読んでいる側としては、どうにもスベっていてうすら寒く感じてしょうがない。

 ヒロインも自分が出した恋人になる条件を満たしていないのに勝手にデレていくのは駄目だろう。
 それじゃ、自分が不幸になるわけでもないし未来を変えなくても問題なくね?ってなって面白くない。
 んで、ライバルが金髪ハーフで美少女で生徒会長で親衛隊やファンクラブがあっていくつも特許を持っている天才児? 設定を盛りすぎです。リアリティなさすぎてそこからしてもうギャグ要員だよ。

 タイムトラベルものは『歴史が変えられる物語』と『歴史が変えられない物語』の2パターンが王道だけど、この作品はその『歴史が変えられない物語』のパターンのテンプレなだけなので新規性がない。
 独自のアレンジとしてせいぜい学園もの要素を加えたぐらいなので、そこしか評価できないですよ。
 ぶっちゃけ、こんな結末は誰でも思いつくわ!で終わってしまい、オリジナリティがありませんでした。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | HJ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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