ダフロン

2011年07月02日

ニーナとうさぎと魔法の戦車 3/兎月竜之介

4086306166ニーナとうさぎと魔法の戦車 3 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫 う 2-3)
兎月 竜之介 BUNBUN
集英社 2011-06-24

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テオドーレの凶行をラビッツに知らせた少女・アリス。突如、ラビッツと同居することになった彼女は常におびえたような様子をみせる。それには彼女に隠された特別な事情と能力が関係していて…? 小動物系大喰い少女・アリス登場!!

 その少女は、天使か悪魔か?

 魔法で動く戦車に乗って街と人々の平和を守る戦車隊の少女たちのミリタリーアクション。

 可愛いは絶対正義。こんなに可愛いラビッツの女の子たちが世界や人類の敵なわけがない。
 ラビッツの事務所に新しくやってきた少女アリス。とある理由から命を狙われる彼女を全てを投げうって助けるラビッツと、そのアリスが自分の命をかけて多くの人々を救う姿がとにかく素晴らしい。
 アリスの献身とニーナの勇気、そしてラビッツ全員の優しさが心に染みわたった。

 初対面からラビッツや街の人間に対して、妙に卑屈で自虐的で、やたらと自分を卑下する癖のあるアリスですが、そういう人見知りで大人しいタイプの娘なのかと思いきや、彼女の背負った業はそんなチャチャいものではなかった……。アリス本人にはなんの罪もないのに、それどころか人を傷つけることを嫌う、とても謙虚でいい娘なのに、そんな彼女を貶めて自分の為に利用しようとする大人がいるのが許せない。

 自分たちとも因縁深い人物に関わるアリスの過去を知った上で、世界を敵に回してでもアリスの味方をするラビッツの少女たちの正義感、義侠心、道徳心、人間愛には敬意の念を抱かずにはいられない。
 自分の力を悪だと思い込んでいたアリスも、どんな力も使い方次第で誰かを救うことができると考えを改め、誰かの命と引き換えに自らの命を差し出そうとする自己犠牲の姿に魅せられた。

 アリスやニーナたちも格好良かったですが、アンフレックの街のドクターや他の戦車隊、初めは風評に踊らされていたけれどもアリスを見て最後には信じてくれた名もなき人々の心意気がよかった。
 野良戦車も本当は人間の作った戦争の犠牲者なんですよね。アリスの存在が少しでもそうした戦争の傷跡を癒していってくれたらと思います。ニーナだけでなくアリスのこれからの成長にも期待です。
posted by 愛咲優詩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 集英社スーパーダッシュ文庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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