土くれのティターニア 増子 二郎 メディアワークス 2006-07 by G-Tools |
【学校一の美少女、御崎明日香が幼馴染だと気づいたとき。良文は別の世界に足を踏み入れた。山の神から力を与えられ、マガツモノを祓う役目を負った少女と少年の青春怪異譚】
またコレか!
卓越した頭脳と美貌で<花の女神>と呼ばれる御崎明日香。
平凡少年、大賀良文の幼馴染でもあった彼女は、
交通事故で、山の神の異能を宿す体になってしまっていた。
街を怪異から守るため、そして彼女のため、良文は奔走する
またも電撃文庫のステロタイプがキタワ〜。
「孤独な超能力ヒロインと支える凡人主人公」の構図だよ。
これも「灼眼のシャナ」の大ヒットの功罪なんでしょうが、
需要に対して供給が多すぎるのは、ちょっと胃もたれ気味。
でも、やっぱり「美味しいよなぁ」などと思ってしまったり。
学校ではクールな彼女が、自宅では努力家で、
唯一、良文に対してだけワガママ(甘え)ぶってみたり、
ストイックというか、妙にケチくさい一面に親しみを覚えます。
良文の下心を見透かして、やり込める意地の悪さなんて、
「狼と香辛料」のホロのようでニヤリとくるじゃありませんか。
そうでも思わなきry
増子二郎といえば、「ポストガール」。
ほのぼのとした童話調と、洒落たキャラクターが魅力でした。
今回はホラー&オカルト風味の短編集でしたが、これまた心温かくなるような、微笑ましいエピソードにまとまっています。
良文の親友の新井がヘンな奴だったり、
そんな彼に恋する英田さんがやけに面白かった。
良文×明日香だけでなく、味のある脇役を描ける人なので、
どんどんキャラを投下していけば、一風変わった賑やかなホラー短編ができるかもしれない。
あと南国精霊(仮)はどこぞの空色カバを思い出した、役立たずなカンジの。
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